[ 2014年2月21日9時33分

 紙面から ]スノーボード女子パラレル大回転で、銀メダルを手に笑顔の竹内(左)(撮影・PNP)

 スノーボード女子パラレル大回転で銀メダルを獲得した竹内智香(30=広島ガス)が「女レジェンド」を襲名する。19日(日本時間20日未明)、五輪公園でメダル授与式に臨んだ。式を終えると、4年後の平昌大会への意欲を見せ、1日でも長く現役を続ける考えを明かした。22日にはパラレル回転もあり、今大会メダル3個のスノーボード界の象徴として、今後も競技を盛り上げる。

 メダルの重みをかみしめた。02年ソルトレークシティーから4度目の挑戦。銀メダルをもらった竹内は目を赤らめた。授与式に来る車の中では、決勝で転倒した悔しさばかりが募った。表彰台で日の丸を見ると、やっと少しだけ、悔しさが晴れた。

 「4回も五輪を経験しないと、ここまで来れなかった」。スノーボードを始めた15歳のとき「五輪に行きたい」「W杯表彰台に立ちたい」と夢を語ると、「日本人は無理」と返された。以来15年。「チャラい」など偏見がある中、真のスポーツとして認められるため、強豪スイスでの武者修行など、努力を積み重ねた結果のメダルだった。

 「1日でも長く競技者を続けたい」と、5大会連続となる4年後の平昌大会出場も視野に入れる。今後はジャンプ葛西のように後輩たちを背中で引っ張る「女レジェンド」として期待される。アルペン種目では08年2月の岐阜・郡上大会を最後に遠ざかっているW杯の国内開催は、まだメドが立たず、スポンサー集めなど環境整備も必要。「銀メダルが力になるなら」と広告塔として普及、発展にも力を入れていく。

 男子ハーフパイプの15歳平野、18歳平岡に続く、スノーボード競技では今大会3個目のメダル。かつての偏見はもう消えかけている。「スノーボードには良くも悪くもいろんなイメージがあったと思うが、スポーツの良さがある。メダルをきっかけに、認知度が上がればいい」と、うれしそうに言った。22日には新種目パラレル回転に出場。「勢いをつなげたい」と「女レジェンド」としての仕事がもう始まる。【田口潤】

 ◆女子の冬季五輪出場回数

 5度が最多。今回5度目出場のモーグル上村愛子、スピードスケート田畑真紀が、岡崎朋美(スピードスケート)、里谷多英(モーグル)に並んだ。夏季五輪を含めると、スピードスケートと自転車で出場した橋本聖子の7度が最多。