3年連続25度目の出場となった神村学園(鹿児島)が、終盤の大逆転勝利で、鹿児島県勢女子初の全国制覇を果たした。

優勝を引き寄せたのは最終5区のケニア人留学生カマウ・タビタ。トップと31秒差の5位でタスキを受けたが、「40秒以内だったら追いつける」と区間賞の走りで一気に首位に立った。タビタは「今日の調子はすごくよかった。いつもはきついけど今日はきつくなかった」と笑顔で振り返った。有川哲蔵監督はタビタについて「1年の時はまだ駅伝の走りが分かっていなかった。2年の時は足をケガしていた。今年は成長した走りを見せてくれた」とたたえた。

チームをけん引してきた1区平田主将は、覚悟の都大路だった。「過去2年走ってきて自分がブレーキをかけてしまった」。特に一昨年1年生で2区を走り、順位を下げてタスキをつないだ。チーム順位が3位だっただけに「自分がブレーキしていなかったら優勝もありえた」と責任を感じたという。

主将になった今年、仲間と相談し「1時間7分20秒で優勝する」とチーム目標を立てた。「今まで明確な目標を立てたことがなかった」と言い、数値化したことで「個人がどのくらいのタイムで走らないといけないか分かるようになった」。さらに新入生が10人加わったことでチーム内での競争が生まれ個人のタイムが上がっていった。

平田は「ずっと悔し涙でしたけど、最後はうれし涙で終われてよかった」と日本一の笑顔を見せた。そして「今回走った1年生が3人残っているので2連覇を目指してほしい」と後輩にさらなる飛躍を託した。