陸上男子短距離の桐生祥秀(23=日本生命)が24日、オーストラリア合宿から帰国した。

現地ではトップスピードやスタートの精度を上げた。出場したレースでは100メートルが10秒08(追い風2・0メートル)、200メートルが20秒39(同1・5メートル)と両種目で今秋の世界選手権(ドーハ)の参加標準記録を突破。シーズンの初陣をいい形でスタートさせた。

喜びが大きいのは200メートル。これまでの自己記録は20秒41で、自身6年ぶりとなるベストの更新だった。「前半がうまくつながった」と要因を分析。20秒40の参加標準記録は「知らなかった」と苦笑いするが、200メートルにも世界選手権の舞台に立てるチャンスが広がった。

6月の日本選手権は優勝すれば、世界選手権代表に内定する条件が2種目で整った。本職の100メートルに加えて、「出るかは分からない。おいおい考える」とした上で、エントリーは200メートルも行う意向を示した。

現地ではマリナーズ・イチロー外野手(45)の引退会見の動画も目にした。接点はないが、超一流の考え方に感銘を受けた。自身も息の長い選手を目指している。「どんな感じで現役時代にモチベーションを30年間保っていたのか、野球を続けていたのか気になります。お話できる機会があれば、お話ししてみたい」と口にした。