全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)は24日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間(42・195キロ)で行われる。パナソニックは「2大会連続区間賞トリオ」を軸に史上4チーム目の3連覇に挑戦する。

3連覇以上を達成したのは1989~92年のワコールの4連覇、03~05年の三井住友海上、13~15年のデンソーの3連覇と3チームのみが達成している偉業だ。

2年前の大会では1区・森田香織(24)2区・渡辺菜々美(20)3区・堀優花(23)の3連続区間賞で独走態勢を築き優勝につなげた。昨年は1区・森田、3区・渡辺、5区・堀の布陣で3人とも2年連続区間賞の快走。2区でデンソーに並ばれるシーンもあったが、1度もトップを譲らず連覇を達成した。

安養寺俊隆監督は「(2年連続での3人区間賞は)偉業だと思いますが、できないこともないと思っていました」と3人の練習から手応えを感じていたという。

昨年のアジア大会で1万メートル代表だった堀は今年4月のシーズンイン時に「今年は3連覇と3年連続区間賞が目標です」と宣言。そして「(森田)香織さんと(渡辺)菜々美にかかっていますね」と笑いながら付け加えた。過去2年の実業団女子駅伝でも森田、渡辺、堀の順で登場した。他の2人が頑張れば、連鎖反応で自分も頑張れる。チーム全体が一体感を持った強化ができていることを示す言葉だった。

今季も6月の日本選手権5000メートルで渡辺が6位、森田が7位、堀が8位とそろって入賞。パナソニックの強さを印象づけた。

しかし懸念材料も出てきた。森田が夏に故障をして、10月の国体5000メートルは14位に終わったのだ。世界陸上代表には、チームで誰も届かなかった。「過去2年に比べれば、駅伝への準備は遅れている」と安養寺監督も認めざるを得ない。

好材料は日本選手権以降故障で試合に出られなかった渡辺が、復帰戦となった国体の成年女子5000メートルで8位と好成績を残したことだ。堀も年間を通じて練習を継続できているという。

そして一昨年は区間13位、昨年は区間19位と追い上げを許した4区(3・6キロ)が、今年は「克服できそう」だと安養寺監督。チーム全体の底上げが進み、チーム6番目の選手が走ることの多い区間で、区間賞トリオ以外の選手がこの区間をしっかり走りきれるという意味だ。「エースの戻り具合次第で、去年以上の戦力になる」と3連覇に向けて手応えをつかんでいる。

一昨年は創部30周年で8位以内に定着することを目指し、無欲の優勝を飾った。昨年は会社の創立100周年で優勝を狙い、平成最後の駅伝女王の座についた。そして今年は「令和最初の女王を目指す」と安養寺監督。宮城の地でパナソニックが強さを見せる。