エース区間の4区で、井上大仁(26=MHPS)が、区間新の1時間3分57秒で17人抜きを達成した。

18年ジャカルタ・アジア大会マラソン金メダリストは、25位でたすきを受け取った。昨年大会の4区区間賞を獲得した実力を発揮して、17キロ過ぎまでに13人を抜いて12位に浮上。その後、さらに4人を抜いてチームを8位まで押し上げた。

従来の区間記録は設楽悠太(28=ホンダ)の1時間4分19秒だったが、その記録を22秒も更新。トップとの差もたすきリレーの段階で2分22秒だったが、最長区間の22・4キロを走り終えて、1分25秒まで縮めた。

井上は「今は区間記録のうれしさよりもチームがどうなるか、最後まであきらめないでほしい」とチームにエール。17人抜きについても「途中で何回も苦しいことがあったが、エースだから頑張れたところがある。何人抜いたか、どのくらい進んだかわからないが、1つでも前で渡せたので(役割は)果たせたかなと思う」と淡々と振り返った。

設楽悠は、トップ旭化成と45秒差の9位でたすきを受けて、11・2キロの中間点までに3人抜き。さらに12~15キロの間で、木津晶夫(カネボウ)、高久龍(ヤクルト)、山本憲二(マツダ)の3人を抜いて3位に浮上した。最後は高久に抜き返されたが、トップのトヨタ自動車と27秒差の4位まで順位を上げた。

井上と設楽悠が、東京五輪代表の座を目指す場合、3月1日の東京マラソンで、大迫傑が持つ日本記録2時間5分50秒を超えるタイムを出す必要がある。