富士通は31日、08年北京五輪の陸上男子400メートルリレー銀メダリストで、現在は同社陸上部アドバイザーの塚原直貴氏(34)が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。

28日に三重県鈴鹿市内で講習会に講師として参加後、発熱など体調不良のため、県内の病院で診察を受けたが、翌日になっても熱が下がらずPCR検査を行い、30日に感染が確認された。同日から県内の感染症指定医療機関に入院中。感染拡大防止を訴える塚原氏本人の強い申し出を受けて公表された。

陸上部は東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾も所属し、練習拠点は千葉市内にある。広報担当者によると、発症からさかのぼって2週間以内に塚原氏と所属選手との接触はなかった。

塚原氏は同社川崎工場に23~25日に出社しており、保健所の指導のもと、消毒実施などの対応を実施。箱根駅伝で東洋大時代に「2代目山の神」と呼ばれた柏原竜二氏が同工場に勤務しており、接触者となったことから現在は自宅待機している。

◆塚原直貴(つかはら・なおき)1985年(昭60)5月10日、長野県岡谷市生まれ。東海大三高(現東海大諏訪高)、東海大を経て富士通へ。日本選手権男子100メートルで06年から3連覇を達成。08年北京五輪では400メートルリレーの第1走者を務め、トラック種目で男子史上初のメダル獲得(銀)に貢献した。16年に引退。現在は富士通陸上部でアドバイザーを務める。