16年リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルリレー銀メダリストの飯塚翔太(29=ミズノ)が100メートルで10秒13(追い風2・0メートル)の大会新記録を出し、優勝した。追い風2・0メートルだった予選の10秒21からタイムを伸ばした。

「現状を確認できて本当によかった。タイムはつきてきたが、スタートから加速の部分などまだまだ課題はある」と振り返った。

17年に出した自己記録10秒08には及ばなかったが、まだコロナ禍の影響で、体のキレはピークではない状態。それでも好記録で、スピードがあることを示した。これから、さらにタイムを伸ばす余地もありそうだ。日本歴代3位の20秒11の自己記録を持つ200メートルが本職だが、100メートルでも存在感を示すつもりでいる。

走力面以外でも、代表チームをまとめるリーダー的存在として重要な役割を担う男も、昨季は急性虫垂炎、日本選手権での肉離れなど苦難が続いた。そんな悪循環を断ち切り、3度目のオリンピック(五輪)へ向かっていく。

前日1日は200メートル予選に出場し、20秒70(向かい風0・5メートル)だった。今は新型コロナウイルスの感染拡大が続く。その中で2日間の大会だった。「静岡陸協の方の運営にも感謝しています。これからも苦しい時間が続きますけど、負けずに頑張っていきましょう」とも話した。また一緒に戦った若いパワーにも感謝した。「地元の中高生が応援してくれてすごく力になった」と語った。

2位は原翔太(スズキ)で10秒33、3位は宮城辰郎(日星電気)で10秒37だった。