来年1月2日、3日の東京箱根間往復大学駅伝は「無観客」で開催することが発表された。それによって考えられる選手や勝負への影響は?

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Q コースは公道なのに「無観客」にできるの?

A 実際にコースと接した場所で生活している人もいますし、本当の意味で観客0人というのは、現実的に難しいです。過去の事例で言えば、3月の東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンとも、沿道の応援自粛が呼び掛けられていましたが、それぞれ7万人、2万5000人が集まりました。例年よりはずっと少ないですが、人垣ができた場所もありました。ファンの方のモラルに依存する部分が大きいのです。

Q テレビ中継は?

A いつも通り日本テレビ系列で生中継されます。

Q 10月17日の箱根駅伝の予選会はどうするの?

A 東京・自衛隊立川駐屯地の周回コースに変更となりました。一般人が入れない駐屯地内に制限されることで、完全な無観客の選考会が実現しました。従来は同駐屯地から市街地を抜け、昭和記念公園にゴールで、多くのファンや大学関係者が応援に来ていました。距離は例年同様にハーフマラソンを走り、各校上位10人の合計タイムで争い、上位10校が出場権を獲得する方式は変わりません。

Q 出雲駅伝や全日本大学駅伝は?

A 残念ながら、出雲駅伝は中止が決まりました。大会を支えるボランティアは、多くが重症化リスクの高い65歳以上のため、コロナ禍での運営の安全性を考慮した判断でした。11月1日の全日本大学駅伝は開催へ向けて準備を進めています。ただ開会式、閉会式は行わず、走り終えた選手もゴール伊勢神宮に向かわない新様式で実施されます。

Q 陸上の大会でクラスターが発生した例は?

A 一部で有観客の大会も始まりましたが、東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンも含め、現時点では確認されていません。

Q 箱根駅伝は多くのマスコミが集まりますよね?

A 新聞や雑誌の記者は密を避けるために、基本的に往路ゴールの芦ノ湖に行けず、リモート取材になる可能性が高いようです。