瀬古利彦氏、マラソン復活へ指導者にも合宿参加要請

取材に応じる莉本陸連の瀬古リーダー(左)と青学大の原監督(撮影・上田悠太)

 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)が指導者へ“合宿参加の大号令”を発した。7日、都内で青学大の原晋監督(50)日本陸連の河野匡長距離・マラソンディレクター(56)男子の坂口泰五輪強化コーチ(55)女子の山下佐知子五輪強化コーチ(52)と東京五輪でのマラソン復活へ向けたパネルディスカッションに参加した。

 現在、強化合宿は選ばれた選手のみが参加し、各実業団の監督やコーチは来ないのが一般的。ただ瀬古リーダーは、選手を最も間近で見ている現場の指導者と強化方針を共有したい思いを持っており「指導者の方にも来ていただきたい」と力を込めた。

 ただ日本陸連の経費を心配し「自費になると思うのですけど…」と苦笑い。それでも富士通やトヨタなど大企業の社長にも「会いに行くからね」と、直接交渉で費用を捻出してもらう覚悟を示した。マラソンはリオデジャネイロ五輪でも男女とも視聴率22%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を超えるなど、東京五輪のマラソン代表に選ばれれば、宣伝効果はたしかに抜群。「どれだけ会社に利益をもたらすか」と熱弁した。

 今回のパネルディスカッションは、東京五輪に向けて強化策や情報を共有する目的で、大学や実業団の指導者や、医学、科学の専門家の前で実施された。瀬古リーダーは「垣根を取り払っていかないと東京五輪に間に合わない」と危機感をにじませた。