駒大「強さをアピールできた」箱根予選を圧勝突破!

箱根駅伝予選会で1位通過の駒大は大八木監督の写真入りうちわを手に喜ぶ(撮影・柴田隆二)

<第95回箱根駅伝予選会>◇13日◇東京・陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園◇21・0975キロ(ハーフマラソン)

駒大が9年ぶりの予選会を10時間29分58秒でトップ通過し、53年連続53回目の箱根路を決めた。昨年のユニバーシアードのハーフマラソンで金メダルを獲得した片西景(4年)が日本人2位の1時間1分50秒を記録する好走。今年の本大会は12位でシード権を落としたが、2位の順大に7分差をつける圧勝で地力を証明した。予選会1位通過からの総合3位以内を狙う。本大会は来年1月2、3日に行われる。

個人5位で到着したエース片西から、1分32秒の間に駒大のランナー9人が続々とゴールした。大八木弘明監督(60)は、レース前は「若干、緊張しました」と明かしながら「やっと強い駒沢をアピールできた」。個人成績上位30人のうち、10人を占めた教え子が頼もしく思えた。

シード落ちを味わい、現主将の堀合大輔(4年)は当時、落胆の色を隠せなかった。「駒沢に入学して予選会に出ることになるとは思ってもみなかった」。新チームが始まり、箱根路を走れない悔しさを全員で共有。「全員が箱根を走りたがっていた。悔しい思いが伝染した」。今年の本大会は全10区間中5区間が2桁順位と層の薄さが目立ったが「その中間層がタイムを伸ばして、さらに上位にも火が付いた」と、悔しさをばねに好循環を生んだ。

層が厚いのは、けが人が少ないことも一因だ。今年8月、3週間の夏合宿では体を追い込みすぎない練習を行った。選手によって異なるが、堀合は例年なら1日最大「65キロ」を走る日もあったが、今年は最大「40キロ」だった。平成だけで最多6度の優勝を成し遂げ、「男だろ!」のフレーズで有名な熱血漢・大八木監督だが、調整法だけでなく、選手への接し方も変化している。「だいぶ優しくなりましたよ。もう年なので。時代というのもありますしね」と頭ごなしに叱らない。そんな監督に選手は7月30日の誕生日に電動自転車をプレゼント。堀合は「喜んでくれました」と笑う。

08年以来、総合優勝から遠ざかる本大会では青学大、東洋大、東海大の「打倒3強」を目指す。黄金期を築いた時は「復路の駒大」と選手層の厚さで勝ってきた。予選会で圧倒的な強さを示した指揮官は「3番以内に入ることは駒沢の常々の目標」と自信を見せる。前回予選会から上がった9年前は本大会で復路優勝の総合2位。またはい上がって強くなる。【佐藤礼征】

◆箱根駅伝予選会 各校14人までのエントリー選手のうち、10~12人が出場する。全員が21・0975キロを走り、チーム上位10人の所要合計タイムの少ない上位11校が本戦出場権を獲得。本戦には前回優勝の青学大などシード10校、予選会を突破した11校、記念大会で採用される関東インカレ成績枠の日大、予選会の記録上位者を中心に編成する関東学生連合(オープン参加)の計23チームが出場する。