青学大・原監督「ほぼ勝つ」エース負傷もV5へ余裕

「ゴーゴー大作戦」で5連覇を目指す青学大・原監督(撮影・鈴木みどり)

エースが抜けても大丈夫。来年1月2、3日の東京箱根間往復大学駅伝に出場する23チームの区間エントリーが29日、発表された。5連覇と史上初、2度目の3冠を狙う青学大は、前回2区区間賞の森田歩希主将(4年=竜ケ崎一)が控えに回った。左脚付け根を痛めたという。緊急事態かと思いきや「ゴーゴー大作戦」を掲げる原晋監督(51)は「ゴーゴー指数は125%」。優勝へ自信が揺らいだ様子は一切なかった。

午後4時に発表された区間エントリー。優勝の大本命・青学大2区に森田の名前はなかった。11月下旬に左脚付け根を痛め、練習が十分に積めていないという。エースの故障。他大学なら危機だが、青学大は層の厚さが違う。原監督は「他の15人が森田任せでなく、みんなで盛り上げていこうとなっている。プラスマイナス0。アクシデントがなければ、ほぼ勝つ」と悲愴(ひそう)感などみじんもなし。それどころか「ゴーゴー大作戦」を掲げる指揮官は「ゴーゴー指数は125%」。前回、同じエントリー発表時、作戦名にひっかけ「ハーモニー指数120%」と言い優勝した。それを超える数字を出し笑い飛ばした。

強がりではない。森田の代役に入ったのは梶谷。11月の全日本では最長8区19・7キロのアンカーを務め、前半ハイペースで飛ばしながら、区間3位で優勝に貢献した。夏以降、好調を維持する。原監督も「1時間8分を切るレベル。うまく走れば7分30秒前後でいけるかな」と話した。

自ら「予想屋」と称す。レースのプランも明白に描いた。1区は東京国際大がケニア人留学生モグス・タイタスを配置しているだけにハイペース。4区までは東洋大が先を行くと読む。「昨年より(5区)竹石の状態がいい。2分差なら逆転できる」。前回は4区終了時、東洋大を2分3秒差で追う展開だったが、その範囲なら射程圏とする。森田の2区不在も補って、余りある竹石の成長が自信の裏にある。

もし往路優勝を逃したとしても…。「ビデオの再生になるんじゃないか」。前回6区区間賞の小野田で、今回も首位に立てる算段だ。「キャプテンがアンカーで(テープを)切れればハッピー」とも言う。状態を最後まで見極める必要はあるが、チームをけん引した森田で、ドラマを完結させる案まで温めている。

順大(86~89年)、駒大(02~05年)と最近4連覇した2校は5連覇を阻まれている。負のデータにエースもけが。だが原監督は「ハイレベルなレース。ワクワクドキドキの箱根」と絶好調。試練も楽しんでいるようだった。【上田悠太】

◆メンバー変更 往路、復路とも当日レース開始1時間10分前に受け付けられる。補欠との交代は4人までで、正競技者と補欠の交代のみで、正競技者同士の区間の変更はできない。