岸本大紀が青学大進学、原監督高2からの勧誘実る

進学を決めた箱根駅伝の名門・青学大で飛躍する三条・岸本

陸上長距離の岸本大紀(三条3年)が箱根駅伝4連覇(15~18年)の名門・青学大に今春進学する。5000メートルの県高校記録を12年ぶりに2秒82塗り替える14分10秒35を、昨年11月にマークした県長距離界のホープ。20日の全国都道府県対抗男子駅伝(広島=新潟は27位)では1区を任され、区間9位の快走を見せた。3月18日の卒業式を迎える前の2月12日から、青学大の九州合宿に参加して大学生活への助走を始める。

青学大での学生生活を、岸本は心待ちにしていた。「大学はみんな強い選手ばかり。練習でどれだけ強くなれるか。ワクワクします」。2月12日から青学大が行う大分・宮崎合宿(28日まで)には、三条に在校しながら帯同する。23日のU-20日本選手権クロスカントリー(福岡=8キロ)にもエントリー。「まず、合宿でどんな練習をしているかを学んで、春からしっかり、練習についていきたい」と大学生活のスタートから、スパートをかける覚悟だった。

全国都道府県対抗男子駅伝(20日=広島)は1区(7キロ)を走り、トップと8秒差の区間9位。そんな岸本が青学大の原晋監督(51)の熱心な勧誘を最初に受けたのは、高校2年の12月だった。箱根駅伝直前の多忙な時期に三条を訪問した同監督の大きな期待が伝わる誘いだった。「強いところでやりたい」という岸本にとっても理想の進路。箱根駅伝は今年、青学大は総合2位に終わったが、昨年までは4年連続総合優勝している名門だ。「1年目から箱根に出たいけれど、練習を積んで2年生からチームに貢献したい」。

全国高校総体(インターハイ)と国体では実績を残せなかった。狙っていた全国高校駅伝も2年連続で県大会3位に終わった。しかし、主要大会で振るわなかった悔しさが、青学大で競技に取り組む原動力。11月11日の日体大記録会でマークした5000メートル14分10秒35の県高校新記録が、レベルの高い大学で奮闘するための糧になる。和田紀明監督(47)は「箱根を走る姿を見るのは当たり前として、チームに貢献してほしい」と、箱根駅伝のテレビ中継を今から楽しみにしていた。「いずれはフルマラソンに挑戦したい」。岸本の夢は広がるばかりだ。【涌井幹雄】

◆岸本大紀(きしもと・ひろのり)2000年(平12)10月7日生まれ、燕市出身。分水中出。陸上は分水小2年から分水ジュニア陸上クラブで開始。中3の全中3000メートルはラストで転倒しながら12位。県高校総体で5000メートルV3。172センチ、55キロ。血液型O。