白ハチマキ衛藤が走り高跳び優勝 世界選手権へ前進

男子走り高跳びで世界陸上の参加標準記録である2メートル30をクリアしガッツポーズを見せる衛藤(撮影・河野匠)

<陸上:静岡国際>◇3日◇静岡・エコパスタジアム◇男子走り高跳び

気合の白ハチマキで世界へ。陸上の静岡国際が3日、掛川市内で行われ、男子走り高跳びで衛藤昂(28=味の素AGF)が自己記録に並ぶ2メートル30で優勝し、世界選手権(9~10月・ドーハ)の参加標準記録を突破した。

3大会連続となる世界選手権へ大きく前進。ただ20年東京オリンピック(五輪)の参加標準記録2メートル33は、バーを左脇に当てて失敗。「33を跳びにきた。30で満足しないのもプランに入っていた。もっと高いところを目指していかないといけない」。喜びは控えめで悔しがった。

白ハチマキがトレードマークだ。テニスの錦織圭らも参考に「気持ちが入りやすい」と昨夏のアジア大会から頭に巻く。光沢感があり、両端は斜めにカットされており、細部まで追求した特注品。地元の三重・鈴鹿のスポーツ用品店で作ってもらった。幅は5センチ。4・5センチと5・5センチのものも試作したが、おでこの広さとの黄金比!? を考慮し、5センチで落ち着いたという。

走りだす直前にはオーケストラの指揮者のように右手を左右に振り、1度上げて振り下ろす動作も2度、繰り返す。考えすぎるくせがあり、雑念を「取り払う」ため取り入れた今季からのルーティンだ。「かなり有効。集中できている」。独特の個性を武器に世界選手権で入賞を目指す。【上田悠太】