男子200はノーマンが今季世界最高19秒70でV

<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦>◇6日◇ローマ

今季世界最高が8種目で生まれるなど好記録が続出した。

男子5000メートルではテラフヌ・ハイレ・ベケレ(20=エチオピア)が12分52秒98、女子1500メートルではゲンゼベ・ディババ(28=エチオピア)が3分56秒28と、中・長距離種目のエチオピア勢がともに今季世界最高の快走を見せた。男子200メートルではマイケル・ノーマン(21=米国)が、ノア・ライルズ(21=米国)との激闘を今季世界最高の19秒70で制した。女子100メートルはリオ五輪金メダリストのエレイン・トンプソン(26=ジャマイカ)が10秒89の今季世界最高で優勝した。

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男子200メートルは予想通りノーマンが先行した。1つ外側のレーンのライルズを、直線に出た時点で60~80センチリードしていた。ホームストレートの中盤まで差をわずかに広げ、最後の50メートルでライルズに追い上げられたが20センチ差で逃げ切った。

ノーマンの19秒70は今季世界最高で、5月のゴールデングランプリ優勝時に出した19秒84の自己記録を大きく更新した。

だがノーマンは「このタイムはうれしいけど」と前置きした上で、「記録を狙って走ったというより、自分が成長することだけを考えていたんだ」と話した。細部までは明かさなかったが「少しレースパターンを変更した」という。

ライルズとの200メートルでの対決は過去3回あったが、ノーマンは3連敗している。最後に追い上げられたとはいえ、0・02秒差で逃げ切った点にノーマンの“成長”があった。

ライルズは「ゴール前と同じようにスタートを強くしないといけない」とコメント。次回の対戦では、2人のスタートでの差がポイントになるかもしれない。

3人が出場した日本勢は明暗が分かれた。

男子400メートル障害の安部孝駿(27=ヤマダ電機)は49秒57で3位。

1台目までのハードルの歩数を、シーズンイン当初より1歩増やしてスピードを抑えている。それでも47秒58で優勝したレイ・ベンジャミン(21=米国)以外とは互角のレース展開で、ホームストレートで1人を抜いて3位に食い込んだ。

タイム的にはいまひとつだが、自己記録が出場選手中8番目ということを考えると大健闘だった。

しかし男子走り高跳びの衛藤昂(28=味の素AGF)は2メートル19で9位、戸辺直人(27=JAL)は2メートル15で11位に終わった。

ボーダン・ボンダレンコ(29=ウクライナ)の優勝記録も2メートル31と、自己記録から11センチ低かった。衛藤も自己記録からマイナス11センチだったが、日本記録保持者の戸辺はマイナス20センチ。

戸辺は自身のツイッターに「少々トラブルがあり、2m15で終わってしまいました。けがではありません」と記している。次戦は16日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会。それまでに立て直せるか。

◆今季の男子200メートル

ダイヤモンドリーグはすでに3試合で男子200メートルが実施された。

ドーハ大会では17年世界陸上金メダリストのラミル・グリエフ(29=トルコ)が優勝し、ストックホルム大会ではアーロン・ブラウン(27=カナダ)が優勝してグリエフが2位。

ローマ大会ではノーマンが19秒70の今季世界最高で、ライルズが0.02秒差の2位。グリエフは20秒35で4位だった。米国コンビが今季の200メートルをリードする形になった。

今季世界リスト3位はディヴィン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア。テキサス工科大)で19秒76。現在開催中の全米学生選手権に出場中で、サニブラウン・アブデル・ハキーム(20=フロリダ大)と7日夜(日本時間8日)の100メートル・200メートル決勝で対決する。