右代啓祐100mで11秒44 世界陸上10種競技

男子十種競技で最初の100メートルをスタートする右代(手前)(撮影・河野匠)

<陸上:世界選手権>◇第6日◇2日◇ドーハ・ハリファ競技場◇男子10種競技

【ドーハ=上田悠太】日本陸連の要項の不備で、1度はエントリーできない状況となったが、招待枠で追加出場となった男子10種競技の右代啓祐(33=国士舘ク)が、世界選手権の舞台に立った。

最初の種目の100メートルで11秒44(追い風0・3メートル)。2日間に渡り、投てき、跳躍、障害種目などの9種目をこなす。苦手な走力が問われる種目では組8着の出だしとなったが、これから巻き返していく。

右代は4月のアジア選手権と6月の日本選手権を制し、日本陸連が定める世界選手権の代表に決定。日本陸連の選考要項では、アジア選手権優勝者は、世界選手権の参加標準記録の突破に匹敵することになっていた。しかし、国際陸連は混成種目、フィールド種目、1万メートルなど一部について、各地域王者(アジア選手権)については「選手のレベルに基づいて」資格の有無を判断すると定めていた。それにより、右代は大会直前でエントリーできないことになった。しかし、その後、欠場者が出たことで、招待枠で出場が決まる“ドタバタ劇”に巻き込まれていた。

指導する岡田雅次監督(57)によると、右代は1度はエントリーができないことが決まった時も「もっと強くなればいいということですね」と話し、泣き言、批判は言わなかったという。その2日後から練習を開始。ドーハへ向かう航空機に乗る前の羽田空港では「世間を騒がせることになったが、今回を機に注目してもらいたいし、だからこそ結果を出したい」と意気込みを語っていた。