オルテガ男子110m障害5着ゴールも翌日銅メダル

男子110メートル障害で5着ながらも救済され銅メダルを獲得し笑顔を見せるオルテガ(撮影・河野匠)

陸上の世界選手権(ドーハ)で、決勝を5着のゴールだったにも関わらず、翌日に銅メダルとなる珍事が起きた。

国際陸連は4日、男子110メートル障害スペイン代表のオルランド・オルテガ(スペイン)に銅メダルを授与すると発表した。オルテガは決勝で、13秒30の5着だった。しかし、レース後半で、バランスを崩した16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)金メダリストのオマール・マクレオド(ジャマイカ)に進路をふさがれた。リオデジャネイロ五輪の銀メダルだったオルテガは、十分なパフォーマンスを発揮できない不運に見舞われていた。

国際陸連によると、スペインチームは進路妨害を主張し、決勝のレースを再開催するか、単独で走り結果を判断することを求めたという。それができない場合、妨害を受けた位置によって、順位を決めるように要求したという。その申し出について、審判団が協議した結果、スペイン側の主張を認めることになった。妨害を受けた位置では3位だったとして、銅メダルが与えられることになった。

13秒18の3位だったパスカル・マルティノラガルド(フランス)の銅メダルは変わらない。タイムが違うのに2人が、同じ着順で銅メダルという珍しいケースとなった。13秒29で4位だった謝文駿(中国)の順位は5位に変わった。

前日3日にも男子ハンマー投げで、4位となる記録で競技を終えたボイチェフ・ノビツキ(ポーランド)に銅メダルが与えられていた。3位だったベンツェ・ハラス(ハンガリー)が78メートル18を投げた1回目の試技に違反があったとのポーランドチームの抗議を受け、上訴審判員が協議。抗議を認める一方で、1投目の記録がハラスの2投目以降に影響したと判断し、公平性の観点から両者に銅メダルを与える異例の裁定となった。ノビツキは77メートル69だった。