マラソン中村と競歩鈴木が談話「状況の推移見守る」

両手を広げて優勝のゴールテープを切る中村匠吾(2019年9月16日撮影)

内定選手も驚いているようだった。国際オリンピック委員会(IOC)が20年東京五輪の暑熱対策として、男女マラソン、競歩の開催場所を東京から札幌に変更する検討を始めるとの発表から一夜明けた17日、それぞれ男子マラソンと男子50キロ競歩の代表に内定している中村匠吾(27)と鈴木雄介(31=ともに富士通)が所属先を通じ、談話を発表した。

中村は「突然の報道に驚いていますが、状況の推移を見守りたいと思います。先日のMGC、そしてドーハ2019年世界陸上競技選手権大会もそうでしたが、どの会場であっても気象条件は変化します。どのような状況においても力を発揮できるよう、練習を重ねていきたいと思います」。

9月15日の代表選考レース「マラソン・グランドチャンピオンシップ」では下馬評を覆して優勝。暑さへの強い耐性を示していた。

鈴木は「これまで「日陰のあるコースに」と要望してきましたが、東京からの移転までは想定しておらず、正直驚いています。いずれにせよ、選手・大会スタッフやボランティアの皆さま、そして観戦される方々の安全を第一に考えて決めていただきたいと思います」。

高温多湿の過酷なコンディションで、変更案が出る背景となった世界選手権では金メダルを獲得。しかし、レース後は「50キロ持つか不安だった」と本音を吐露していた。東京五輪のコースは日陰がなく、かねて変更を訴えていた。