五輪マラソン2周?6周?「世界陸連と戦わないと」

マラソン・グランドチャンピオンシップ表彰式 五輪代表を決め笑顔を見せる、左から女子2位の鈴木、1位の前田、男子1位の中村、2位の服部(19年9月15日撮影)

札幌に移転した東京オリンピック(五輪)のマラソン、競歩について、世界陸連との交渉が難航している。28日、大会関係者が明かした。コースと競技日程で折り合いがつかず、29日に大会組織委員会、札幌市、北海道の3者で行われる予定だった実務者会議が延期された。

組織委は地元の意向を受け、北海道マラソンのコースを基に同市中心部の2周回コースを提案。しかし、世界陸連はさらに範囲を狭めた6周の周回にするよう主張している。地元は大会後のレガシーとなるよう2周回にし、ハーフマラソンなどに活用したい意向。6周回では、その方針にそぐわない。一方、マラソンは世界的には人気が低く、世界陸連はコースを広範囲にすると観客がまばらになることを懸念。多周回で観客が集まりやすくし、警備も楽にしたい。大会関係者は地元の意向をくみ「世界陸連と戦わないといけない」と、タフな交渉を続けていることを明かした。

日程調整も難航。国際オリンピック委員会(IOC)などは従来通り5日間で男女マラソン、男子50キロ競歩、男女20キロ競歩の5種目を実施したい意向だが、世界陸連は3日間に集中させたい考えで意見が対立している。競技関係者らの東京~札幌間の移動を最小限に抑えることが理由。組織委は発着点を承認する予定の12月4日のIOC理事会前に実務者会議を行う方向で調整する。【三須一紀】