駒大・田沢廉、いざ夢の箱根路へ 憧れは中村匠吾

駒大のエンブレムを指さす田沢(撮影・横山健太)

スーパールーキーが、箱根デビューを区間賞で飾る。11月の全日本7区で区間賞をマークした駒大・田沢廉(1年=青森山田)は「3大駅伝すべてで最低でも区間3位。目標はすべて区間賞」と、箱根でも誰にも負けない走りで、新春を駆け抜ける勢いだ。

福島出身の大八木弘明監督(61)が「中村に勝るとも劣らない逸材」と舌を巻く。中村とは、駒大OBで3大駅伝すべてに区間賞を記録。9月のマラソングランドチャンピオンシップで優勝し、東京オリンピック(五輪)男子マラソン代表に内定した中村匠吾(27=富士通)のことだ。田沢も「匠吾さんみたいな選手になりたい」と目を輝かせる。

今年6月に、ともに1度だけ練習したことがある。田沢はまだ入部して約2カ月ほど。「練習がきつくて、スタミナとかついて行くのがやっとだった」。その横で、中村は「このぐらい余裕だよ」と涼しい顔。田沢が中村を見る目が、羨望(せんぼう)のまなざしに変わった。

期待を一身に背負う田沢だが、希望区間は意外にも「3区か4区」。10キロ以上のレースを走ったことはなかったが、17・6キロの全日本7区の区間賞で「距離にも不安がなくなった」。ならば23・1キロ、箱根最長の2区を狙えるが「来年に取っておきます」と慎重だ。

青森・是川中時代にテレビであこがれた駒大の箱根路。「その夢がかなう時が来た」。将来は「匠吾さんのようにマラソンで五輪に出たい」だけに、まずは箱根デビューで中村越えを果たす。【吉松忠弘】

◆田沢廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森・八戸市出身。是川中卒業後、青森山田ではアジアジュニア選手権5000メートル2位。ライバルは前回9区区間賞の青学大・吉田圭太(3年)。好きな食べ物は肉。180センチ、60キロ。血液型O。