築館石川監督「非常に残念」鵜沢の連続2冠絶たれる

陸上部の練習を見守る築館・石川雄二監督

今夏、東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)が26日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、史上初の中止に追い込まれた。主催する全国高等学校体育連盟(全国高体連)がウェブ会議方式の臨時理事会を開き、1963年の初開催から初めて中止を決定した。東北でも岩手でボクシングなど3競技、青森で相撲、山形で体操の開催を予定していた。有力選手を抱える強豪校の指導者もショックを隠せず、秋以降の大会開催も不透明な状況だ。

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昨夏の沖縄インターハイで100メートルと200メートルを制し、東北勢史上初の陸上短距離2冠を達成した築館(宮城)鵜沢飛羽(3年)は、今季初レースにも臨めないまま、連続2冠の偉業を絶たれた。

同校陸上部は感染防止のため、全体練習を3月下旬から自粛しており、現在は自宅での個人練習に切り替えている。石川雄二監督は中止発表を知り、「非常に残念です。こういう状況なので仕方ない」と話した。

練習環境に制限がある中、鵜沢は自宅でできるトレーニング方法や感染防止をツイッター上で紹介する「いまスポーツにできることリレー」に参加。運動不足によって低下する心肺機能を維持向上させるトレーニング方法を紹介した動画投稿を行うなど、開催を信じて練習してきた。

全国総体が中止になったことで、県総体の開催も不透明な状況となった。石川監督は「こういう状況での開催は非常に難しいと思う。現状を受け止めて、新しい目標に向かって頑張っていくしかない」と寂しそうに話した。県総体も中止になれば、現状では7月に予定される鹿児島国体の宮城予選が初レースとなる。その後は9月下旬以降に延期された日本選手権や、10月の同国体が目標になる。同監督は「それに向けて頑張ろうと伝えたいが、それ自体も開催できるか分からない」と困惑を隠せなかった。【相沢孔志】