山県亮太、復活へ1年3カ月ぶりの実戦/GGP

昨年大会のフィニッシュシーン。日本人対決は、僅差で桐生が逃げ切った。(写真提供 フォート・キシモト)

陸上のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP、日刊スポーツ新聞社共催)は23日に東京・国立競技場で開催される。来夏の東京オリンピック(五輪)のメインスタジアムとなる舞台で、地元五輪での飛躍を目指す国内トップ選手が火花を散らす。特に注目は男子100メートル。桐生祥秀(24=日本生命)山県亮太(28=セイコー)ケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)小池祐貴(25=住友電工)多田修平(24=住友電工)ら9秒台が期待できる豪華メンバーが集う。

過去に10秒00を2度出している山県は約1年3カ月ぶりの実戦に挑む。「久々のレースになる。走り方も変わってきた。その辺りが発揮できれば」と意気込んだ。舞台は1年後の五輪会場、そして大会には所属する会社の冠も付く。絶好の舞台で復活を印象付ける。

昨季は苦難だった。腰痛に加え、肺気胸により連覇を目指した日本選手権は欠場を余儀なくされた。それだけではない。11月には右足首の靱帯(じんたい)を断裂。歯車がかみ合わなかった。走り方も求めていた形とは遠かった。上体が早く起き上がってしまい、中盤で思うようなトップスピードに乗り切れなかった。

今季は前傾を長く維持できるよう技術の改善を施し、その下地となる体作りも見直した。「満足のいく練習ができている。走りの見た目も変わってきた」と好感触だ。これが実戦で、どうタイムに反映されるか、心待ちにしている。

修道高、慶大、セイコー入社後も故障を経験した。ただ、その試練を、いつも強くなる過程としてきた。「けがには成長のきっかけ、次に速くなるためのヒントが必ず隠されている」。今回も同じ。また進化を遂げて、戻ってくる決意だ。

大会はTBS系列全国ネットで23日午後3時から生中継される。