仙台一・菅野航平、高校日本一ハードラー筑波大進学

筑波大への進学が決まり、笑顔を見せる仙台一・菅野(撮影・相沢孔志)

高校日本一の男が、世界を目指す。全国高校総体がコロナ禍で中止となり、10月下旬に広島で開催された代替大会「全国高等学校陸上競技大会2020」の男子400メートル障害で優勝した仙台一(宮城)菅野航平(3年)が9日、筑波大(茨城)への進学を決めた。この日、推薦入試での合格発表があり、「一高に合格した以来の感覚だったので、うれしかった」と喜びに浸りながら、「あらためて身が引き締まった。喜ぶのは一瞬にして、これからです」と、飛躍への挑戦を続けていく。

昨年の全国総体では準決勝で敗退し、最終学年での日本一へ闘志を燃やした。今年は公式戦中止が続く中でも向上心を持ってレベルアップに努め、8月下旬の宮城県選手権では50秒95の大会新記録で全国舞台に弾みをつけた。10月の同大会は全体1位で予選を通過し、決勝でも力強い走りで頂点に立った。レース後には仙台一の部旗を掲げ、「中学時代にインターハイで優勝した選手が旗を持つ写真を見て、かっこいいなと思った。自分もやりたいという夢が、かなってこの上なくうれしかった」と笑顔で振り返った。

筑波大の印象は「科学的知見に基づいてスポーツをしている。一流選手の動きやパフォーマンスも見られて、自分の動きと照らし合わせられる施設があることも魅力」と語った。色紙には「世界で戦える選手」と今後の目標を書き上げた。「48秒を切るタイムではないと世界では戦えない。日本記録(47秒89)に近づいて、更新できるように、これから本当に頑張りたい」。同大会後も部活動に参加して、世界への歩みは止めなかった。高校NO・1ハードラーの挑戦はまだ続く。【相沢孔志】

◆菅野航平(かんの・こうへい)2002年(平14)6月20日生まれ、仙台市出身。仙台中田小2年時に陸上競技を始め、仙台中田中3年時に110メートル障害で全中8位。仙台一では1年時にU-18日本選手権400メートル障害4位入賞。2年時は茨城国体少年男子A400メートル障害5位入賞など。自己ベストは50秒67。174・5センチ、63キロ。家族は両親姉、弟。好物は果物。