帝京大1年生小野「ずっと憧れ」箱根デビューなるか

初の箱根駅伝を待つ帝京大・小野(本人提供)

来年1月2、3日に開催される第97回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の区間エントリーが29日、発表された。前回大会総合4位の帝京大で唯一1年生で16人以内のメンバー入りをしている小野隆一朗(北海道栄)は補欠に回ったが、前回大会で同大は2人を当日変更で起用した。「ずっと憧れの舞台。走るチャンスがあればそこで全力で走りたい」。当日の起用を目指し準備を重ねている。

昨年は2年連続で全国高校駅伝に出場し、エースが集う1区(10キロ)で日本人歴代5位となる28分55秒の区間4位で注目を集めた。コロナ禍で3月の入寮直後に自主練習となったが、同じ白糠町出身の中野孝行監督(57)の助言のもと約3カ月間、痛めていた右足の回復を優先。全体練習再開後は1日30キロのメニューなど高校では経験のない距離を走り「長い距離を走っても気持ちを強く持てるようになった」と成長を実感した。

11月の全日本大学駅伝では1区を走るも区間18位。一方で昨年の都大路で同じ1区を走った三浦龍司(順大)ら3人の1年生が区間新を樹立した。「自分がすごく情けなくなった」。トップと27秒差でつなぎ、上級生が7位まで上げた。シード権を争う大学駅伝で「順位」への意識を強めた。

チームは過去最高タイの4位だった前回大会で3秒差で逃した総合3位入りが目標。小野は「全日本駅伝では頼ってばかりだったので、箱根では走るなら頼られる選手になりたい。前との差がないのは大前提」。勝負の舞台は師走の京都から年始の箱根へ。虎視眈々(たんたん)と箱根デビューを待つ。【浅水友輝】

◆21年箱根駅伝の道内出身者エントリー 5大学と関東学生連合に計6人がエントリーし、29日に区間エントリー入りしたのは4人。前回大会総合2位の東海大は11月の全日本大学駅伝で6区区間新記録を樹立した長田駿佑(3年=東海大札幌)が9区に入った。明大は前回大会区間13位の金橋佳佑(3年=札幌山の手)が2年連続で4区を務める。東洋大は北見緑陵2、3年時に総体出場の村上太一(1年)が3区、オープン参加の関東学生連合の村上航大(上武大2年=札幌山の手)が4区に入った。前回大会1区で2位の国学院大・藤木宏太(3年=北海道栄)は補欠に回った。メンバーはレース当日に変更可能。

◆小野隆一朗(おの・りゅういちろう)2001年(平13)4月21日、白糠町生まれ。白糠小1年で陸上を始め、北海道栄では全道高校駅伝で2年連続区間賞、2年連続出場した全国高校駅伝での区間順位は2年17位(3区)、3年4位(1区)。今春入学の帝京大では11月の全日本大学駅伝に出場。自己記録は5000メートルで14分7秒19、1万メートルで29分16秒36。好きな食べ物は白米。趣味はアニメとゲーム。170センチ、51キロ。家族は両親と妹。

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