五輪候補・小池祐貴以来の1年生V 立命館慶祥・水野琉之介「光栄です」

男子100メートルで優勝した立命館慶祥の水野(中央)(撮影・山崎純一)

<陸上:高校総体北海道予選>◇16日◇室蘭・入江運動公園陸上競技場

陸上で男女計10種目の決勝が行われ、100メートルで史上初の1年生男女アベック優勝だ。男子は水野琉之介(立命館慶祥1年)が、自己ベストの10秒69で優勝を果たした。OBで日本勢3人目の9秒台を出した小池祐貴(26=住友電工)以来、10年ぶりの1年生王者となった。女子は神田琉杏(立命館慶祥1年)が大接戦の末、12秒40で制した。

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憧れの先輩を超えた。水野が男子100メートルを制した。1年生での優勝は、OBで東京五輪代表候補の小池が成し遂げた11年以来。「小池さんに続けたのはものすごく光栄ですし、とてもうれしい」。自己記録を100分の8秒更新する10秒69に「少しほっとしてます。タイムよりも優勝することを目指してきた。結果的にタイムもついてきてよかった」。小池の1年時の優勝タイム10秒96よりも速かった。

プラン通りのレース展開だった。準決勝では同組だった北海道栄の町井大城(3年)にトップを譲った。「スタートが得意だということを知らなかった。抜かれた後、取り返すというイメージでいて、それがうまくはまった」。その言葉通り、決勝も中盤までは町井が先を行った。「思ったより遠いかなと思ったけど、どんどん距離が縮まったので落ち着けば大丈夫」と逆転。「力まずに落ち着いて走られたのが勝因かな」。0秒05差の勝利にガッツポーズが飛び出した。

チームメートの勝利に刺激された。「同級生の琉杏が優勝したことを聞いて、これはと思った。多少プレッシャーがあったが良かった」。レース直前に女子100メートルで神田が優勝を決めた。「アベック(優勝)目指して頑張ろうという話はお互いにしていた。琉杏の気持ちを引き継ぐことができた」と喜んだ。

青森浦町中出身で昨年10月、コロナ禍で中止となった全国中学の代替大会で、千葉の選手と同時優勝。今春、小池に憧れ進学した。現在は寮暮らしで、洗濯など身の回りのことも自分でこなしている。初のインターハイに「10秒前半を出さないと勝負できない世界だと思う。1年生で経験は浅いけど、先輩たちに食い込んでいけたら」と力を込めた。【山崎純一】