箱根駅伝6区好走の駿河台大・小泉謙「35歳まで現役」フルマラソンも視野

箱根駅伝6区を区間3位で快走し、小田原中継所に飛び込む駿河台大・小泉(22年1月3日撮影)

箱根駅伝(2、3日)に初出場した駿河台大(埼玉)で、復路山下りの6区(20・8キロ)を走り、58分47秒で区間3位と好走した小泉謙(3年=開志国際)がさらなる飛躍を誓った。本格的に陸上競技を始めてわずか6年で大舞台に立ったランナーの能力は未知数。「35歳まで現役」という大きな夢をかなえるため、全国の強豪選手を相手に成長を続けている。

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未完のランナーの伸びしろは“無限”だ。小泉は箱根駅伝から短いオフを挟み、日本学生ハーフマラソン(3月13日=東京)に向けて12日から練習を再開させた。主戦場の1万メートルでは自己ベスト(29分47秒36)更新を狙っている。

小泉 (1万メートルでは)29分を切りたい。ハーフマラソンは個人、チーム力の底上げにつながる。1、2年時は(すねの)シンスプリントや膝のケガの影響で結果を残せなかったのでケアに力を入れながら1戦1戦を大切にしていきたいです。

箱根駅伝では駿河台大の6区を任された。最初の約4キロは山を登り、下りは急カーブが続く。ペース配分がカギとなったが、持ち前の推進力を生かし20・8キロを58分47秒、区間3位の好タイムで駆け抜けた。

小泉 登りが想定よりはまり、下りはスピードを維持できた。残り3キロで設定タイムの1時間を切れると思った。徳本監督からは「区間9位ぐらいで戻って来ると思った。予想外」と笑われました。

同大は初出場ながら最後までたすきをつなぎ、19位でゴール。下級生が多く残るため2年連続の箱根は十分に狙える。

小泉 うちはこれからのチーム。来年も大舞台に戻れるよう全員がレベルアップして予選会を勝ち抜きたい。個人としてはラストスパートでもスピードを持続できるようになりたい。

中学では野球部に所属。開志国際高に進学してから本格的に陸上を始めると、2、3年時に3000メートル障害で全国総体に連続出場。3年時には同校初の全国高校駅伝出場に貢献した。

小泉 レースに出るたびに魅力にどんどんのめり込んでいった感じ。ほかの選手と比べ、変な癖みたいなものはなかったと思う。若山監督(65=現新潟医療福祉大陸上部コーチ)のアドバイスを自分に落とし込んでいました。

小学生時代は友達と野原を駆けて遊び、休日には父信也さん(66)に連れられて全国の山々を登った。

小泉 山が僕らの遊び場。長距離を完走した時と登頂した時の達成感が似ている。足腰が鍛えられたし、幼少期の体験が今につながっている気がします。

「35歳まで現役」が目標。実業団入りを狙い、将来的にはフルマラソン挑戦も視野に入れる。

小泉 今は調子の浮き沈みが激しく、レース日によってムラがある。走力、精神面をしっかり鍛えて、常に力を発揮できるようにトレーニングに励みます。【小林忠】

▼小泉謙(こいずみ・けん)2001年(平13)2月15日生まれ、阿賀野市出身。笹岡小では水原スイミングスクールに通い、笹神中では野球部所属。開志国際高で陸上を始め、2、3年時に3000メートル障害で全国総体出場。3年時は全国高校駅伝にも出場。19年に駿河台大(現代文化学部)に進学した。趣味はモータースポーツ観戦。175センチ、56キロ。