開志国際3年渡辺大星、男子400メートルで大会新初優勝「ケガが治って、誰よりも頑張ろうと」

男子400メートルで大会新Vを果たした渡辺はゴール後に叫ぶ

<新潟県高校総体陸上>◇27日◇第2日◇新潟市陸上競技場

男子400メートルは渡辺大星(開志国際3年)が大会新記録の47秒73で初優勝を決めた。従来の記録を8年ぶりに0秒17塗り替えた。昨年のインターハイは準決勝止まり。雪辱へ、第1関門をトップ通過した。北信越大会(6月16日開幕=石川)で6位以内に入れば、インターハイ切符を得る。

   ◇   ◇   ◇

渡辺がほえた。ゴールにトップで飛び込み、マークしたタイムは大会新の47秒73。両手に握り拳を作り、空に向かって雄たけびをあげ、そして泣いた。トラックにしゃがみ込み、右手で顔を覆った。「準決勝で負けた同級生(後藤温大)の分まで頑張ろうと思った」。同僚の悔しさを背負って激走した。

不安はあった。3月に左太もも裏を痛めた。「肉離れではなかったけれど、歩くだけで痛かった」という状態で約1カ月間、走れなかった。ところが、復活どころか大会新の快走。「ケガが治って、誰よりも頑張ろうと思っていた」。その言葉をこのレースで証明した。自己記録48秒09を、0秒36縮めた。

「目標はインターハイ優勝。目的は県高校記録(46秒67)を塗り替えること」と渡辺は言う。昨年のインターハイは準決勝敗退。予選でいいタイムを出しても準決勝で失速する傾向を打ち破るため、冬場は筋トレを繰り返した。予選から決勝までを乗り切れるスタミナをつけた。「筋トレで結構、スピードが上がった。昨年の全力疾走のスピードは今、8割か9割の力で出せる」。確かな自信を芽生えさせながら、渡辺は夏に向かう。【涌井幹雄】

<男子1500メートル 石山智也Vに笑顔>

男子1500メートルで優勝した石山智也(日本文理3年)はタイムより、勝負を優先した。優勝タイムは4分00秒79だった。レース前半は自重し2、3番手をキープ。ラスト1周のスパートは集団に囲まれながら、タイミング良く抜け出した。「昨年は入賞できず悔し涙をたくさん流した」という石山は優勝に笑顔だった。