東京学館新潟・関口裕太初Vだ 今季2度100m10秒37日本一速い高校生/全国高校総体陸上

インターハイ優勝に向かって調整する関口

陸上男子100メートルの関口裕太(東京学館新潟3年)が初出場のインターハイ(3~7日=徳島・鳴門市)で優勝を狙う。今季2度マークした新潟県高校記録の10秒37は、全国高校ランキングでトップに立つ。優勝すれば、県高校男子選手では初の快挙だ。高速スプリンターは練習のピッチを上げていた。

初のインターハイへ、関口は体内のエンジンを噴かしながら、心は平静に保っていた。「体は走りたいと、アドレナリンをドバドバ出しているけれど、頭は冷静です」。初の大舞台に向けて筋力アップ、技術の向上を図ってきた。持ち前の加速を生み出す「スタートからの3歩」を集中的に磨いてきた。「自分の走りをすれば、結果はついてくる」。強いメンタルと、自信で県男子初のタイトルを奪うつもりだ。

今季、2度作った10秒37は全国高校ランク1位の記録。恩師田村和宏監督(44)が保持していた県高校記録(10秒42)を5月7日の新潟下越佐渡地区大会で26年ぶりに更新したタイムだ。6月18日の北信越大会(石川)の決勝でも同タイムをマークして大会新記録。同レースには昨年のU18チャンピオン片原一輝(富山商3年)、6月10日のU20日本陸上(大阪)決勝で高校年代トップの4位に入った福沢耀明(長野・佐久長聖3年)らがいた。ハイレベルなレースでライバルを抑えての優勝だった。「インターハイで自己新と優勝を目指す」とターゲットは全国大会での頂点だ。

昨年は両膝の故障でインターハイ予選の県高校総体を棄権。木崎中3年時は北信越中学大会で優勝しながら、直前合宿で右太もも裏の肉離れに見舞われ、全国中学大会で実力を出せなかった。最初で最後のインターハイは細心の調整で挑む。「100メートルは10秒で終わる世界。ミスは取り返しのできない競技。メンタルが大事になる」。男子100メートルは4日に行われる。関口は“一瞬”のレースに集中する。【涌井幹雄】

◆関口裕太(せきぐち・ゆうた)2004年(平16)11月4日、新潟市生まれ。陸上は木崎中1年から取り組む。中学のベストタイムは北信越中学陸上の優勝タイム11秒00。171センチ、67キロ。血液型B。