【出雲駅伝】駒大が大会新記録で9年ぶり4度目V!2区で怪物ルーキー佐藤圭汰が区間新

1位でゴールする駒大アンカーの鈴木(撮影・前田充)

<第34回出雲駅伝>◇10日◇島根・出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム(6区間45・1キロ)

駒澤大(駒大)が9年ぶり4度目の出雲路制覇を果たした。2時間8分32秒で、2015年大会で青学大がマークした2時間9分5秒を大幅に更新する大会新記録。大学駅伝初戦を圧勝し、悲願の大学駅伝「3冠」に向けて前進した。2位には国学院大が52秒差で続き、3位は中大だった。

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駒大は1区(8・0キロ)で花尾恭輔(長崎・鎮西学院)が中大の吉井大和から9秒差の2位と好位置につけると、2区(5・8キロ)で「怪物」と呼ばれる1年生、佐藤圭汰(京都・洛南)が15分27秒の区間新記録を樹立。これがデビュー戦ながら17年大会で田村和希(青学大)が打ち立てた15分47秒を20秒も短縮する快走で、中大をかわして先頭に立った。

続く3区(8・5キロ)では、7月の世界選手権代表の田沢廉(4年=青森山田)が区間新記録にあと4秒と迫る23分50秒で続き、2位以下を突き放して主導権を握った。

試合前、各大学の指揮官は「前半勝負」とにらんでいた。強い西風が吹き、追い風となる1~3区まででいかに先頭集団を走れるか。大八木弘明監督が「戦国駅伝。どこが勝つか分からない」と見通していたレースで、新入生と世界舞台で戦う最上級生などの力が融合。向かい風となった後半区間でも4区(6・2キロ)山野力(4年=山口・宇部鴻城)も区間2位の力走。5区(6・4キロ)安原太陽(3年=滋賀学園)が区間賞、そして最終6区(10・2キロ)では1万メートルを27分台で走る鈴木芽吹(3年=長野・佐久長聖)と実力を発揮。1度も先頭を譲らず、むしろリードを広げて通算4度目の勝利をつかんだ。

指揮官はいまの駒大の強みをこう説く。「個を伸ばすか、組織を伸ばすか。私のところは個人の良いところですね。伸びていくところを伸ばしながら、チームの底上げをやってきました。今年の夏も含めて、その上に日本代表の選手がいて、それを下がどう向き合うか。それでチーム成長している」。その刺激のし合いが、3大駅伝で最も優勝から遠ざかっていたタイトル奪取につながった。

次は全日本選手権。昨年の優勝も含めて歴代最多14度も栄冠を手にした伊勢路だ。その先には箱根駅伝が待つ。チーム初、史上5校目の3冠へ、まい進する。