陸上女子で21年東京オリンピック(五輪)1500メートル8位入賞し、3月末に豊田自動織機を退社した田中希実(23)が3日、都内で会見を開き、スポーツ用品メーカー「ニューバランス」に所属することを発表した。実業団からプロに転向し、新たなスタートを切る。
会見では「ハングリー精神が最近は弱まっている感じがしていて、自分が『こうしたいんだ』という思いがないとやっていけない。今までは自分の潜在能力を信じられていたし、それに対して、支えてもらえる環境があったことで相乗効果があったとは思うんですけど。今後はもっと世界のトップで(戦う)となれば、もともと持っている潜在能力以上の力が必要になる。そこには強い思いと確かな取り組みが必要になってくる。そこに対してのプロ意識が大事になってくると感じたので、今回のような決断をしました」と説明した。
ニューバランスは米国のボストンにもチームを構えており、田中も今年2月に一緒に練習やレースに参加した。ニューバランスへの所属を決めた理由は「決定的なことがあったわけではない」と強調しながらも、「積み重なってきた自分自身へのフラストレーションが爆発したみたいな部分が大きいのかなと思います。それで2月にボストンチームの方と練習したりして、そこで結果が出た部分もあったり。そこでより、ニューバランスっていいなっていう思いが強くなった」と胸中を打ち明けた。
田中は24年パリ五輪の有力者で、今季は8月の世界選手権(ブダペスト)出場を見据えている。今後へ向け「世界のトップで戦いたいというのが一番の目標。その目標に向かって努力する中、いろいろな方へ、より影響を与えていきたいですし、陸上界だけでなく、社会全体であったり、よりたくさんの方の目に留まるような選手になっていきたい」と決意を新たにした。