<第100回箱根駅伝>◇24年1月2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)
被災した故郷を、自分の走りで元気づけたい-。
福井出身、国学院大の平林清澄(きよと、3年)が、エース区間の2区(23・1キロ)で、昨年の6人抜きに続き、8人抜きの快走を演じた。17位でたすきを受け、9位に順位を上げてフィニッシュ。被災地から沿道に駆けつけた父の声援も力に変え、区間3位となる1時間6分26秒で駆け抜けた。総合3位以内を目指すチームは1区の出遅れを挽回し、往路6位で終えた。
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花の2区の勝負どころ、権太坂で国学院の平林がさらにギアを上げた。序盤から果敢に飛ばし、15キロ過ぎに待ち構えるこの急坂まで、すでに5人を抜いていた。苦しくなりかけてきたところで目に入ったのが、被災地の実家から駆けつけてくれた父の姿。「『攻めろ!』とおやじが叫んでいた。ちゃんと聞こえました」。その激励を力に変え、さらに3人を抜いた。1年前も同じ区間で6人を抜く奮闘を見せていたが、それを上回る8人抜き。「プラン通りの走りを、だいたいできた」とうなずいた。
前日の元旦、大地震が北陸地方を襲った。故郷のことが心配で「気持ちをつくるのが難しかった」。それでも家族の無事を確認したことで、落ち着きを取り戻した。「いまの自分には走ることしかできない。同じ北陸出身者として、エールを届けたい」と心に誓った。
被災地にも今大会が中継されることを、レース前に確認した。「自分の走りがテレビに映ることで、北陸の人に元気を与えられるような走りをしたいと思っていた。そこに関してはできたかな」とうなずいた。
自身は今季、ケガを乗り越えた。前年の箱根駅伝後に仙骨を疲労骨折。落ち込みかけたが、トレーニングや生活習慣を見直し、約3週間で練習再開にこぎつけた。7月には1万メートル27分55秒15の国学院大記録を樹立。さらに11月の全日本大学駅伝では、駒大の主将、鈴木芽吹らを上回るタイムで区間賞を手にした。
この日は目指していた区間賞には届かなかったものの、青学大・黒田朝日から19秒差、駒大・鈴木には6秒差の3位と奮闘。「負けちゃったけれど、この借りは来年の箱根で返したい。また、北陸の人に元気を与えられるような走りができれば」。最上級生となる24年。故郷への思いを背負い、さらなる高みを目指す。【奥岡幹浩、濱本神威】