<陸上:富士北麓ワールドトライアル>◇3日◇山梨県富士北麓公園陸上競技場◇男子100メートル予選2組
桐生祥秀(29=日本生命)が9秒99(追い風1・5メートル)を出した。
2017年に日本人初の9秒台となる9秒98(日本学生対校選手権)をマークして以来8年ぶり2度目。9月の世界選手権東京大会の参加標準記録(10秒00)を突破し、代表入りを確実とした。今季日本人最速で駆け抜けると、会場からは大きなどよめきと拍手が起こり、本人も「やったー! やったー!」と喜んだ。
その後、記者団の取材にも応じ「9秒台が出ないと世界で勝負ができない。その中で8年ぶりに9秒台を出せて良かった。全然、速くない時もあれば(好調の今季のように)戻ってくることもできた。これが陸上競技。まだまだ勝負できると今日の結果で証明できたと思う。これから自己ベストを狙っていきたい。調子は良かったし(9秒台の)放送を聞いて、ホッとしましたね。練習を積んで世界選手権の本番に合わせたい」と充実の表情と口調で振り返り、先を見据えた。
桐生は7月上旬の日本選手権で5年ぶり3度目の優勝。同下旬にオーストリアで行われた競技会では予選で10秒07、決勝で10秒08と好記録を連発し、今大会に臨んでいた。
7月の全国高校総体(インターハイ)で、石川・星稜高2年の清水空跳(16)に、自身の高校記録10秒01を12年ぶりに破られる10秒00をマークされ、SNSを通じて祝福もしていたが、その今季日本人最高を抜き返す形で意地を見せた。
国内ではサニブラウン・ハキーム(26=東レ)に続いて史上2人目の「複数9秒台」を達成したことにもなった。
直後の予選3組では、守祐陽(もり・ゆうひ、大東文化大)が自己ベストの10秒00(追い風1・3メートル)で世界選手権の参加標準記録に到達。日本陸連の選考基準により、初の代表入りへ大きく前進した。
同選手権の男子100メートルは各国最大3枠。昨夏のパリ五輪(オリンピック)で日本歴代2位の9秒96を出したサニブラウンも代表入りへ優位な位置につけているため、高校総体でU18世界新記録となる10秒00を出した清水は、現時点で代表入りの可能性が低くなった。
参加標準記録の有効期間は8月24日まで。この期間の成績次第では代表候補の顔ぶれが変わる可能性もある。【藤塚大輔】