1月の箱根駅伝で総合3連覇を果たした青学大陸上部が4日、相模原市の同大相模原キャンパスで会見を開き、1日に創設した「女子駅伝チーム」の始動を報告した。将来的に駅伝出場を目指す女子部員2人が加入し、原晋監督(59)が男女兼任で指導する。女子陸上界への危機感も強調しており、今後は男子との合同練習で力を蓄え、来季には部員を増やして大学駅伝参入と優勝を見据えている。
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青学大を箱根9度の優勝に導いた原監督が低迷する女子駅伝界に切り込む。
異例の男女指導の両立に乗り出し、女子指導の方針をこう言い切った。「ぬるっちょいことはしない」。責任コーチに21年東京五輪男子マラソン補欠代表のOB橋本崚(32)を抜てき。しかし、女子特化の強化体制はないという。通常は練習パートナーなどをつけるのがセオリーだが、「温室育ちの選手を育てて何が強くなるのか」。従来の女子指導を度外視した男子との合同練習で強化を進める。
男女に力の差があるのは事実だが、「素晴らしい選手の後ろを走れば、同化する」。生活拠点は男子の町田寮(東京都町田市)近くの女子学生寮を活用。ただ食事や日々のトレーニングなどは男子と共同作業になる。「恋愛関係という意識ではなくて、同志、仲間として」。自立した人間育成の機会にもつなげる。
原監督の女子中長距離界への問題意識は数年前からあったという。男子は5年以内に日本高校記録が更新された一方で、女子は20年以上更新なし。また、女子の全国高校駅伝地区予選の参加校も15~25年の10年間で約4割減少していた。「これが事実。非常に危機的状況」と警鐘を鳴らす。さらには全国約40チームの実業団が存在するが、競技人口の減少が続けば、選手や指導者の雇用がなくなる可能性も訴えていた。
駅伝チームの真の目的は「女性の社会進出」。昨季2冠の城西大や名城大、立命大など打倒強豪も掲げた一方で「真のライバルは女子ゴルフ」とも。宮里藍を先頭に続々と急成長を遂げたゴルフ界のような競技発展を青写真に描いている。
今年は個人種目に専念させるが、来春は複数選手の獲得も見込み、6選手による全日本大学女子駅伝の初出場を目指す。「女性が自分らしく走れる環境を整備することで記録も伸び、競技人口も増える。そんな構造をつくりたい」。未来へタスキをつなぐ挑戦がスタートした。【泉光太郎】