<陸上:セイコー・ゴールデングランプリ(GGP)>◇17日◇東京・MUFGスタジアム◇男子100メートル
男子100メートル日本歴代3位の9秒98の自己記録を持つ桐生祥秀(30=日本生命)が、10秒15(追い風0・6メートル)で日本人トップの4位に入った。スタートで飛び出して前半は昨年の世界選手権東京大会2冠のノア・ライルズ(米国)に先行したが、後半に9秒95で優勝したライルズら外国勢にかわされた。
「冬季で練習してきたものがスタートからできた」。レース後、桐生は手応えを口にした。冬季練習でスタートを一から見直した。10、20メートルで足を置く位置を決めて歩数を少し大きめにした。前日に「試合でやるのは初めて」と話していたが、世界を置き去りにするロケットスタートで進化を実感した。
一方で後半は世界との差も肌で感じた。隣のレーンを走るライルズに一気に抜かれて、最後は0秒20の大差をつけられた。「(場内)放送で桐生が抜けていると聞こえて落ち着いていったんですけど、(ライルズの)グーッというスピードの乗り、勢い感じた」。それでも「僕の身長ならピッチはもう少し回った。練習を積んでそのタイムに行けるようにしたい」と強気に巻き返しを誓った。
昨年は7月に5年ぶりに日本選手権を制すと、8月には8年ぶりの9秒台となる9秒99をマークし、9月の世界選手権東京大会にも出場。復活を印象づけた。30歳を超えたが「衰えるというのはむしろない。20代後半くらいからテクニックでカバーできるものがある。積み上げてきたものを、どれをやるかが固まってきている」と話していた。
世界選手権も五輪も開催されない今年の目標は、日本人初の9秒8台を出すこと。「(今年の)日本選手権で(達成)できるかどうか」。もちろんその先に思い描いているのは世界のファイナル。「世界の速い選手と勝負するのが、今年のやるべきこと。最低でも2、3着に入らないと。準決勝で4着では上にいけないので」。その言葉に自信と確信が込められていた。