来年秋の世界選手権北京大会出場を目指し、18日のダイヤモンドリーグ(DL)ロンドン大会に挑む陸上男子400メートルリレー代表が11日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開した。
これまで“日本のお家芸”と呼ばれたバトン技術「アンダーハンドパス」を見直し、今シーズンから「オーバーハンドパス」を試験導入することを決めた。
バトンパスの様子も公開された。
第1走者の多田修平(30=住友電工)から第2走者の小室歩久斗(中大2年)。第3走者の桐生祥秀(30=日本生命)から第4走者の小池祐貴(31=住友電工)。最後には2走小室から3走桐生がリレー練習をした。
次走者が後ろに手のひらを向けて腕を伸ばし、前走者が前に押し出すようにしてバトンを渡す「オーバーハンド」をコーチ陣から提案されたのは、公開当日のミーティングという。
選手からもさまざまな感想が上がった。
4人のうちオーバーハンドを経験していたのは、多田と桐生の2人。いずれも高校時代に取り組んだという。
「僕も驚いている」と話したのは多田。「オーバーに結構なじみがある。僕は結構そっちの方が好きかな。オーバーの方が渡しやすいと思う」と語る。
一方、桐生は「みんなまだ(受ける)手(の位置)が低い。アンダーに慣れているので、上げている感覚があっても、映像で見たら思ったよりも上がっていない。そこはもっとやっていかないといけない」と課題を口にする。
ただ、「選手の中でも『アンダーが難しい』とか、『オーバーやってみたい』という声もちょっとあったから楽しみ」とも話した。
次走者が腰のあたりで手のひらを下に向けて構え、前走者が下からバトンを渡すアンダーハンド。2001年から取り入れた日本は、08年北京オリンピック(五輪)、16年リオデジャネイロ五輪でメダルを獲得。強豪国と渡り合ってきた。
しかし、昨年の世界選手権東京大会で6位に沈むなど近年は低迷傾向だ。
これまでアンダーハンドに取り組んできた2人も四半世紀ぶりのスタイル変更には新たな可能性を抱く。
この日、初めてオーバーで受けた小池は桐生と何度もリレーをし合った間柄。だが、この日は桐生からの声にわずかな距離感を感じ取った。
「声の距離感とかある程度なんとなく覚えているけど、(桐生から)声がかかった瞬間に『ん?声遠くね?』ってなったのは戸惑った」。
アンダーハンドに比べて走者間の距離(利得距離)が長くなったことで微調整が必要であると考えた。
それでも、伝統スタイルの変更には「ようやくかと思った。オーバーになったらどうなるかはどっかのタイミングでは絶対やるべきと思っていた。1回フラットな視点で行くに1回、2回、3回はオーバーをやるのは長い目で見るとプラスになる」とも語っていた。
今回、初めて2走を務める小室も大学ではアンダーハンドで取り組んでいる。
「(受け手が)左手なので利き手じゃないのもあって、力が加わりにくい感じがある。そこはしっかり練習でやっていければ」と話した。
男子400メートルリレー代表は5月の世界リレーで上位12カ国に入れず、来秋の世界選手権の出場権を逃している。
出場国は残り4枠。来年8月22日までの記録有効期間内で落選国の中で日本は、記録上位4番手以内に入る必要がある。
落選国の中で38秒01の今季トップタイムを持つ日本はさらなるチーム記録の更新を狙う。