【陸上】マラソン競歩金の勝木隼人「五輪種目に戻したい」新種目はロス五輪種目外に危機感

男子マラソン競歩で優勝を決める勝木隼人(撮影・滝沢徹郎)

<愛知・名古屋アジア大会:陸上>◇26日◇マラソン競歩◇愛知県庁・名古屋市役所周辺コース

アジア大会初実施となった男子マラソン競歩で、昨年9月の世界選手権東京大会35キロ3位の勝木隼人(35=自衛隊)が、金メダルを獲得した。タイムは3時間3分36秒。2018年ジャカルタ大会50キロ金に続く2個目のメダルとなった。

残り1キロの「ウィニング・ウォーク」では何度もガッツポーズを掲げていた。「ほぼ勝ったと思ったんですけど、(審判に)『あいつ、油断しているな』と思って(警告や違反を)出されたら嫌だなと思って。だから『最後だけやらせてください』って」。あふれそうな喜びをロードで表現していた。

スタートから先頭集団で粘り続け、33キロ付近では独歩となった。途中で足の着地時にひざが曲がってはいけない「ベント・ニー」の反則を受けたが、安定感を示した。

世界陸連が定める設定記録(2時間56分30秒)を狙い、世界記録達成へ果敢に挑んだ。

Xで「やる気元気勝木」と名乗るなどユーモアな投稿をしまくるウォーカー。

東海大卒業後はサポート企業が見つからず、みずほPayPayドーム福岡でグッズ売りのアルバイトをしたこともある苦労人。34歳で初めて世界大会となった世界選手権東京大会では表彰台にたどり着いた。

フルマラソンと同じ42・195キロを歩くマラソン競歩は、今季から本格的に導入された新種目。日本では昨年10月の全日本高畠大会で初実施。世界では4月の世界チーム選手権(ブラジル)でも実施。日本(勝木、岩井和也、石田昴)が団体金メダルをつかんだ。しかし、28年ロサンゼルス・オリンピック(五輪)の採用種目からは外れているという。

35キロ、50キロに代わって登場したロング種目は「マラソンの方が35キロより間違いなく僕は強い」と語る勝木。ただ、自身の主戦場となる種目の不遇には「五輪種目に戻したい」と言う。「競技がなくなったらまずいぞと思って。所属もなくなるので…。僕としてはいろんな選手に呼びかけながらできれば五輪種目に戻ってきてほしいと思う」。

それでも、「ハーフしかないならハーフで大金星取ってやるぞ」とロス五輪ではハーフマラソン競歩での代表入りへの意欲ものぞかせた。

◆競歩のルール <1>左右どちらかの足が常に地面についていなければならない<2>地面に前足がついた瞬間から足が地面と垂直になるまでひざを曲げてはならないというルールがある。違反は<1>ロス・オブ・コンタクト<2>ベント・ニーの反則となり、疑わしい場合にイエローカードが出され、審判員が目視で違反と判断した場合、レッドカードの警告が提示される。マラソン競歩の場合、警告3枚でペナルティーエリアでの4分間の待機、4枚で失格となる。