<第103回箱根駅伝予選会>◇17日◇東京・陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園◇ハーフマラソン(21・0975キロ)
元高校球児の秀才ランナーが、箱根駅伝に大きく近づいた。
一橋大の有川紘樹(4年)が、来年正月の本戦にオープン参加する関東学生連合チームのメンバー入りを濃厚にした。1時間3分43秒の個人79位でフィニッシュ。選考方法の一つである予選会総合21位以下で個人順位上位6人(各校1人)で4番手に食い込んだ。
チームは総合41位だったが、文句なしのチームトップの走りだった。ただ、自己ベストには45秒届かず。「1キロ3分か、ちょっと切るペースで行って15キロまではよかったんですけど、公園に入ったタイミングで集団が動いたところに対応したら足を使ってしまい、最後は苦戦をした」。大事なラスト勝負でのスタミナ不足を反省していた。
それでも、両腕には同期や先輩から「目指せ 箱根!!」「前へ!!」「きっと大丈夫!」などのメッセージを書いてもらい、力に変えていた。
東京屈指の進学校・都武蔵高時代では硬式野球部に所属。高3夏の全国選手権西東京大会では「1番投手」としてチームを引っ張った。
小学生時代から「持久走がすごく得意だった」と話すように脚には自信があった。高校のマラソン大会では陸上部員に勝ってしまうほどだったという。
陸上長距離の世界に引き込まれたのは、高校駅伝の大会で助っ人参加がきっかけ。「ランニングじゃなくて陸上長距離という競技性にひかれて気になった」。
最難関国立大の一角、一橋大へ進学しようと思った理由は「やりたい学問があったのと、陸上部が初心者大歓迎ってところもあってなじみやすかったから」。法学部では国際関係論を学んでおり、卒業論文は「台湾情勢」をテーマに研究を進めている。
1923年(大12)創部の陸上部は現在、短距離やフィールド種目を含めて約70人が活動。東京・国立西キャンパスには全天候型の400メートルトラックが8レーンあり、環境面は充実しているという。
対抗戦の相手でもある東大にも出向き、武者修行もした。1、2年時は1500、5000メートルでスピード力を鍛え、徐々にハーフマラソンに適応する体を作り上げてきた。
前回箱根路で連合チーム入りした東大の秋吉拓真と東大大学院の本多健亮からは予選会の対策や箱根出場
が決まった後の過ごし方も吸収。「一橋大自体が大きな大会に出るような経験値がない。ある程度話を聞く中で想定して箱根の世界に飛び込める意味では聞いてよかった」とうなずく。
卒業後の進路は未定だが、競技は市民ランナーを含めて模索している。
連合チーム入りが決まれば、創部100年を超える一橋大では初の箱根ランナーとなる。
希望区間には「アップダウンより平地の方が得意」と言い、「関東学生陸上界では一橋はそんなに有名ではないけど、一橋大の陸上をいろんな方に知ってもらう機会になったらいいな」とも語る。
今回は連合チームを題材にストーリーが展開される日本テレビ系ドラマ「俺たちの箱根駅伝」でより注目を集まる。有川自身も「ちょうどいいタイミング」と追い風にもしており、こうアピールする。
「チームメートにも『国立大学だから』とかで夢を諦めるのではなく、高いところに向かっていくところを宣伝できたらいい」。
連合チームのメンバーは後日発表される。【泉光太郎】
◆関東学生連合チームの選抜方法 第102回大会から出場選手の多様性の確保、箱根駅伝を通じた選手強化を理由に選抜方法が変更された。落選上位10校(総合11~20位)に1枠ずつ与えて各校内で選出された選手と、予選会総合21位以下で個人順位上位6人(各校1人)で「2回以上出場経験は除外」となる。チームはオープン参加のため、チーム成績と選手の区間記録は全て参考記録となる。