<全日本大学駅伝>◇1日◇熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前◇8区間106・8キロ
10月の出雲駅伝を制した早大が、史上初の同一チーム2度目の大学3冠に王手をかけた。22年駒大の大会記録を3分16秒大幅更新の5時間3分31秒で16年ぶり6度目の伊勢路制覇。1区から1年生3人がつなぎ、3区の新妻遼己(はるき)が区間新で首位を独走し、最後は「山の名探偵」こと8区の工藤慎作(4年)が自身の日本人区間最高記録を塗り替えた。来年1月の箱根路は10年度以来の総合優勝に挑む。前回覇者の駒大は6位で連覇を逃した。
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早大ルーキーの1人、新妻遼が、異次元の快走で出雲路に続く2冠をたぐり寄せた。1区2位の本田桜二郎、2区区間新記録で首位浮上の増子陽太からえんじ色のタスキを受けた。「増子のスパートで勇気をもらったし、区間賞を取ってきてすごく勢いづいた」。
2位帝京大との差はわずか2秒。後続を一気に引き離した。5キロ通過のタイムは13分42秒とハイペース。出雲4区区間記録を出した快足を再び発揮し、2位とのリードを1分14秒差に広げて独走Vを後押しした。21年の「爆速留学生」東京国際大・ヴィンセントの区間記録を1秒更新。「ちょっとびっくり」と自ら驚いた。
大学進学後、初の兄弟対決にも燃えていた。神奈川大では双子の弟で5区の昂己(こうき)と3学年上の兄で6区の玲旺(れお)も出場した。兄の影響で中学から本格的に陸上を始め、弟とは中高6年間同じチームでタスキをつないだ。高校卒業後は兄弟とは別の道を選んだが、2人については「一番のライバルであって、すごく刺激を受ける存在」と尊敬している。
新妻遼、本田、増子の1年生トリオの躍動は現役時代の指揮官と櫛部静二氏、武井隆次氏の3人で名をはせた「早大三羽がらす」と重なる。「シン・令和三羽がらす」とも呼ばれる期待の1人だ。MVP賞を獲得したスーパールーキーの走りに、花田勝彦監督も「本当に前半でいい流れをつくってくれた」。
4年後は「世界で活躍する選手に」と大きな夢も口にした新妻遼だが、来年1月の箱根路では16季ぶりの3冠に挑む。102回の箱根路の歴史の中で同一チーム2度目の3冠の例はまだない。10年度の大迫傑らによる3冠達成時の新妻遼はまだ3歳。「YouTubeでちょっと見たことある」と言うが、こう誓った。「油断せずに次に向けて練習を積みたい」。これからも名門を引っ張っていく覚悟だ。【泉光太郎】
◆新妻遼己(にいづま・はるき)2007年(平19)5月17日、兵庫県生まれ。平岡中で本格的に陸上を始め、全国中学駅伝にも出場。西脇工高3年時は全国高校総体と国民スポーツ大会で男子5000メートル2冠を達成した。3大駅伝デビューは出雲4区で区間新トップ。3人兄弟の次男。長男玲旺と双子の三男昂己は神奈川大陸上部に所属。176センチ、59キロ。