ちあきなおみ

デビュー曲「雨に濡れた慕情」がヒットし、歌唱力を備えた人気歌手として花開くことになるちあきなおみ
デビュー曲「雨に濡れた慕情」がヒットし、歌唱力を備えた人気歌手として花開くことになるちあきなおみ

ちあきなおみ。復活を望む声が後を絶たない。喝采、黄昏のビギン(水原弘のカバー)、夜間飛行、紅い花、星影の小径(小畑実のカバー)、紅とんぼ…。92年9月11日、最愛の夫・郷鍈治を肺がんで亡くし、表舞台から姿を消した。「喝采」の歌詞の一節に「喪服の私は祈る言葉さえ失くしてた」とあるが、実は過去にも〝喝采の人生〟を味わっていた。当時所属していた事務所社長は「だからこそ、そのつらさや悲しさを世の中の人のために歌ってほしい。それが歌手の務め」と語った。復帰しない理由のひとつに「私に何を歌えと…」がある。音楽観をしっかり持ち、独自の歌唱法、表現法を築き上げた歌姫。今、71歳。

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<芸能・1995年9月13日掲載>