山中慎介

カールソン(右)にTKO勝ちを決めた山中慎介は12度目の防衛を果たした
カールソン(右)にTKO勝ちを決めた山中慎介は12度目の防衛を果たした

この男こそ「絶対王者」の名に相応しい。山中慎介。具志堅用高の13戦連続防衛の日本記録に王手と迫る12度目の防衛をまたも〝神の左〟で勝ち取った。WBC世界バンタム級戦、挑戦者から5度のダウンを奪った末に7回TKOで決めた。山中は左拳の威力を「パンチが走る」と表現する。「7回でやっと体重が乗ってきた」。山中の言う体重を乗せるとは、パンチを打つ際に踏み込んで、地面からの反発で得た力を拳に伝える能力のことだ。野球に打ち込んだ中2の時、「特別鍛えていないのに」遠投で95メートルを記録した。拳に最大限の力を集約するすべを身につけたのだ。しかし2018年3月1日、前日計量失格で王座を剝奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と因縁の再戦に臨んだが、2回TKO負け。試合直後に引退表明した。

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<ボクシング・2017年3月3日掲載>