サムエル・ウルマン

1965年秋の天皇賞。ハクズイコウに2馬身差をつけ優勝したシンザン。鞍上は栗田勝
1965年秋の天皇賞。ハクズイコウに2馬身差をつけ優勝したシンザン。鞍上は栗田勝

上記の言葉は「5冠馬シンザン死す」を伝える日刊スポーツに、担当記者が寄せた「悼む」の中に出てきた一節だ。米国の詩人が書いた「青春という名の詩」の引用だが、在りし日の一場面がよみがえってくる。種牡馬生活22年間で1122頭に種付け。シンザン32歳の時、谷川牧場に取材に行った。種牡馬引退後はのんびりと余生を送っている……はずが、隣の放牧地にいる牝馬に向かって盛んに求愛ポーズを送っているではないか。子孫繁栄への使命感と生命力のたくましさに同行のカメラマンと目を見張った。ちなみにカメラマンの名は「深山」、音読みでシンザン。4年後、人間なら100歳を超える36歳で天に駆け上がったが、毎年「日刊スポーツ賞シンザン記念」が新春を飾っている。(^o^)

<競馬・1996年7月14日掲載>