日本体育協会は18日、昨年の岩手国体の自転車成年男子ケイリンで優勝した福井県体協所属の選手がドーピング違反で4カ月間の資格停止処分となったと発表した。

 国体では2003年静岡国体で検査導入以来、初の違反例となる。この選手は、当初4年間とされた処分期間を不服に日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立て、JSAAが同日、処分の期間を大幅に短縮する裁定結果を出した。

 この選手は昨年10月8日の競技後の検査で、禁止物質で筋肉増強効果があるテストステロンとアンドロステンジオンに陽性反応を示した。ケイリン優勝は取り消され、2位以下が繰り上がる。ケイリンに先立って同選手も出場して3位となったチームスプリントの扱いについては、25日の日本体協の国体委員会で協議する。福井県の得点や順位の修正についても国体委で決定する。

 日本体協の河内由博事務局長は「非常に残念。再発防止に向けて、教育や啓発に努めたい」と述べた。