<自転車:トラック世界選手権>◇6日(日本時間7日)◇第5日◇英国・グラスゴー◇男子オムニアムほか
今村駿介(25=チームブリヂストンサイクリング)が、男子オムニアムで銅メダルを獲得した。オリンピック(五輪)、世界選手権を通じ、男子の同種目でメダルを獲得するのは史上初めて。女子の梶原悠未(20年金)に次ぎ、史上2個目のメダルとなった。男子スプリントの太田海也(24=日本競輪選手会)は準々決勝敗退、女子ケイリンは太田りゆ(28=同)が11位、佐藤水菜(24=同)は13位タイに終わった。
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今村が、中距離トラック界の歴史を塗り替えた。日本男子としては初めてオムニアムのメダルに「去年6位で、メダルを取りたいと言ったことを実行できた」と笑った。世界的なロード選手が参戦してくる種目。12年のロンドンから五輪種目となったが、これまで男子はリオ五輪の窪木一茂が14位、東京の橋本英也は15位だった。この日は東京の銀と銅メダリストを退けての表彰台に立ってみせた。
第4種目のポイントレースは大乱戦だった。メイン集団を周回遅れにする「ラップ」で、大量得点を狙う選手が続出。今村もその集団に加わり、4度のラップに成功。レース終盤のラスト10周前には、電光掲示板の表示が突然修正され、今村は6位から一気に2位に急浮上。日本チームが色めき立つ中「余裕があれば見ていたんですけどね。終わってみれば、意外に僅差だった」と本人は苦笑い。ひたすらポイントを狙う積極性と、世界クラスのスピードでつかんだメダルだ。
自転車は身近な存在だった。父は元競輪選手の保徳さん(49期=引退)。現在のG1に相当する特別競輪で活躍。本紙評論家の中野浩一氏の同県の後輩で、日本選手権決勝も共に戦った。そんな父譲りの自転車のセンスと同時に「みんなは競輪学校(現養成所)に行ったけど自分は体力」と、中距離種目に打ち込んだ。今大会、ホテルで同部屋の窪木は「彼は努力家。常にエネルギーを注ぐから、結果が出た」と評する。朝は窪木のスクラッチレースの銀メダルを見せて送り出した。「控えめに言って、最高です。今村がいつも洗濯してくれるので、きょうは僕が」と笑った。
今村と窪木は、日本時間8日未明のマディソンに出場。銀と銅のメダリストコンビが、五輪枠とともに最高に輝くメダルを狙う。【山本幸史】
◆今村駿介(いまむら・しゅんすけ)1998年(平10)2月14日生まれ。福岡県うきは市出身。中大卒。父保徳さんは元競輪選手。15年ジュニア世界選手権のポイントレースで優勝。今年のアジア選手権では団体追い抜きとマディソンで金メダル。1時間で走破した距離を測る、アワーレコードの日本初の公式記録(52・468キロ)保持者。175センチ。
【オムニアムとは】
1日で中距離4種目を戦い、合計ポイントを争う。
(1)スクラッチ トラックで行われる個人ロードレース。1位に40ポイント。
(2)テンポレース 毎周回ごと1位通過に1点、周回遅れにすると20点が加算され、得点順に順位(ポイント)がつく。
(3)エリミネーション 規定周回ごとに最後尾の選手から脱落する。残り2人になるとスプリント勝負になり順位(ポイント)がつく。
(4)ポイントレース 男子は25キロ(100周)。10周ごと1位5点、2位に3点、3位に2点、4位に1点が与えられ、最終周回はポイントが倍。周回遅れにすると20点加算。(1)~(3)の持ち点から上乗せし、順位をつける。
◆男子スプリント
○…男子スプリントの太田はベスト8止まり。昨年の10位から成績は上げたが、レース後は悔しさのあまり涙を流した。「もっともっと、レースがしたかった。メダル争いをするにはまだ遠い。技術も含め、全て足りていない」と静かに語った。競輪選手養成所で才能を見いだされ、自転車競技を始めて2年余り。8日以降のケイリンで雪辱を期す。
◆女子ケイリン
○…女子ケイリン2年連続銀メダルの佐藤は、準々決勝で姿を消した。最終4角で外から優先走路に入ったため降格となった。1回戦と敗者復活戦を含め「この3レースは、いいところが何もありませんでした。全く評価できない内容です」とコメント。21年の世界選手権初出場からメダルを獲得してきた種目。ショックの色は大きかった。