<フィギュアスケート:東京夏季競技大会>◇第2日◇23日◇東京辰巳アイスアリーナ◇シニア男子ショートプログラム(SP)
今季からシニア転向の中田璃士(17=MFアカデミー)がデビュー戦に臨み、2位に大差の87・77点の首位で好スタートを切った。
元選手の父誠人コーチ(42)が、愛息の演技後に取材に応じた。
9月の木下グループ杯に向けた調整で出場した我が子のシニアデビューは「だいぶ(緊張)していましたね。最初の6分間(練習)の滑り始めから抑えめだったので。ああいう時は大体よくないです。たぶん、本人なりには全力は出している」と辛口だった。
この日は伸びのあるスケーティングがなく、全体的に動きが小さくなったのが、反省点となった。
「このぐらいの出来で、このぐらいの点数がもらえていたので、いい練習がこれから積めると思う。ちょっと弱点も見えてきた」と収穫も口にした。
ジュニア最後のシーズンを終えた後、オフ期間はさまざまなイベントに招待されたこともあり、本格的に練習を再開したのは7月の全日本シニア合宿の直前だったという。
中田自身も「滑り込みがまだ足りない」と話していたように誠人コーチも現状をこう受け止めている。
「普段の練習では、もっとスピードが出て、その中でジャンプを跳んだりとか、もっといいものをやってはいる。それが出せなかったことは感じていると思うので、そこをちょっと出していけるようにしたい」
シニア転向を見据えて、競技以外でも中田の姿勢に変化が出てきたという。
自己成長への知識を詰め込むための読書や、表現力に必要なバレエを始めた。さらには父が「字が汚い」と指摘すると、ペン習字も習い始めたという。
「全部3、4年前に言っていたんですけど…」と誠人コーチは言うが、「本人が希望して前向きに取り組んでいるのでいい感じ」と我が子の精神面の成長に目を細める。
栄光の裏には残酷な世界もあるシニアの舞台。自身も経験した厳しい世界に身を置く息子に誠人コーチはこう思いを巡らせた。
「いいことも悪いことも自由に発言できる。そういう人たちに影響されないように自分がやらなきゃいけないことをちゃんと取り組む。いい意味でも悪い意味でもそこは見失わないようにとは思っています」