【フィギュア】2年のブランク乗り越えた氏家天、東日本へ0・06点差「やっぱりスケート好き」

フィギュアスケート関東選手権女子SPで演技する氏家天

<フィギュアスケート:関東選手権>◇第2日◇26日◇神奈川・コーセー新横浜スケートセンター◇女子ショートプログラム(SP)

2度の競技休止を経て、3年ぶりに関東選手権に出場した氏家天(21=日本体育大)が、36・89点で4位につけた。10月29日開幕の東日本選手権(群馬・前橋市)に進める3位まで、わずか0・06点。27日のフリーで逆転を狙う。

冒頭の3回転サルコー-2回転トーループを成功させた。3回転トーループとダブルアクセル(2回転半)では転倒したが、高さのある大きなジャンプを披露。ミスの後も満面の笑みを絶やさず、最後まで観客を魅了した。久々の温かい声援に、「今日はサルコーがとてもよかった」とうなずいた。

静岡県浜松市で育ち、中学2年までは名古屋で門奈裕子コーチに師事した。母の運転する車で片道約2時間の道のりを、ほぼ毎日通った。中学3年からは週末に横浜でも練習し、横浜清風高への進学を機に母と2人で神奈川へ引っ越した。高校3年だった23年は関東選手権のジュニア女子で9位となり、東日本ジュニアにも出場した。

だが、24年に日体大へ進むと、高校3年時には「すごく調子が良かった」というジャンプの状態が悪化。「やらなきゃ、やらなきゃ」と思うほど空回りし、1回転さえも跳べなくなった。心が折れ、大学1年の夏から競技を休止。一度は戻ったものの、技術は思うように戻らず、今年7月まで再び氷とは無縁の生活を送っていた。

復帰のきっかけは大学のスケート実習だった。学生に教え、自由時間には自分も滑るうちに「やっぱりスケートが好き」と思いが再燃。現在は「楽しめばいいよ」と声をかけてくれる駒場幸大コーチの下で練習を重ね、「ジャンプもだいぶ戻ってきてる」と手応えを感じている。

東日本への切符には、27日のフリーで1つ順位を上げる必要がある。「行けたらいいな。頑張りたい」と、巻き返しへ思いを込めた。競技を始めたきっかけは荒川静香さんのイナバウアー。「私も、みんなが盛り上がってくれるのを見るのがすごくうれしい」。2年間のブランクを乗り越え、万感の思いを届ける。【勝部晃多】