【フィギュア】中井亜美、涙の逆転V「緊張しっぱなし」「怖かった」1年前と違う価値の金メダル

GPシリーズ・フランス杯で優勝し、金メダルを掲げて笑顔を見せる中井亜美(撮影・松本愛香)

フィギュアスケート GPシリーズ第1戦フランス杯〈第2日〉◇24日(日本時間25日)◇アンジェ・アイスパーク◇女子フリーほか

【アンジェ(フランス)=松本愛香通信員】2月のミラノ・コルティナ五輪銅メダルの中井亜美(18=TOKIOインカラミ)が逆転優勝を飾った。フリー1位の149・08点とし、合計219・74点。3位だったショートプログラム(SP)から順位を上げて2位に16・92点の大差をつけ、GPシリーズ初出場優勝した昨年に続く大会連覇を達成した。自己ベストでSP首位発進の青木祐奈(24=日本建物管財)はフリー5位にとどまり、合計200・62点で総合4位だった。

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感情の波が体を震わせた。中井はクリーンな演技を通すと、破顔しながら右手を突き上げた。観衆から喝采を浴びる。笑顔で応え続けていたが、瞳からは涙があふれていた。「もう緊張しっぱなし。怖かった」。1年ぶりにフランスに舞い戻り、逆転で連覇を達成した。ただ、好結果とは裏腹に、心は揺れ続けていた。

前回大会は日本女子3人目のGP初出場優勝。勢いに乗り、五輪メダリストへと駆け上がった。新たな肩書も加わった中、再び始まったGPシリーズ。SPは武器のトリプルアクセル(3回転半)が1回転半となるミスで3位となった。開幕前日は「勝たなきゃ、五輪メダリストだからという気持ちは1ミリもない」と口にしたが、不発の演技は闘争心を呼び覚ました。今季は具体的な順位や目標を掲げなかったが「追う立場になって、絶対に勝ちたいと思った」と心が決まった。

一夜明けたフリー。「迷いや不安なことがたくさんあった」と重圧は抱えながらも「背負うものもない」と攻めた。冒頭の3回転半。空中で体の軸が傾いたものの、右足1本で立ってみせた。「耐え切った」。大技成功で波に乗り、全ての技を決めていった。中庭健介コーチも「あらためて彼女の強さを見せてもらった」と感服した。

フランスで再びつかんだ金メダルには、1年前と違う価値がある。中井は「チャレンジだった昨季とは違った乗り越え方。大きな自信になる」とかみしめた。次のGP第4戦スケートアメリカ(11月14~16日、エバレット)も勝ちにいく。「完璧な演技で表彰台に乗りたい。目指すところは1位」。心の赴くままに、どん欲に結果を追い求める。