<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第3戦中国杯>◇8日◇深センユニバーシアードセンター◇男子フリー
1月の4大陸選手権で2度目の優勝を果たした三浦佳生(かお、21=明大)が、23年フィンランド大会以来の3季ぶりの優勝でGP通算2勝目を挙げた。
自己ベストに0・06点と迫る102・90点で首位だったショートプログラム(SP)に続き、最終滑走で迎えたフリーでも「ジキルとハイド」を好演。冒頭の4回転サルコー、続く4回転-3回転の連続トーループを決め、後半の4回転トーループでは出来栄え点(GOE)3・26点の加点を引き出した。トリプルアクセルからオイラーを挟んで3回転サルコー、ダブルアクセルへとつなぐ後半のジャンプで19・33点。6つのジャンプ要素すべてで加点を得て、技術点は101・64点に達した。
フリーは今季世界3位の190・35点で1位。23年4大陸選手権で記録した自己ベストを0・72点更新した。合計も同大会の281・53点を11・72点上回り、今季世界2位の293・25点。2位のジキジに10・81点差をつけ、3位セメネンコ、4位佐藤駿、5位シャイドロフら強豪を抑えた。
第1戦フランス杯2位の13ポイントに優勝の15ポイントが加わり、2戦で合計28ポイント。男子一番乗りで、3季ぶりにシリーズ上位6人によるGPファイナル(12月10~13日、中国・重慶)進出を決めた。
「3年前も中国でファイナルだった。また中国で試合できることがうれしいし、また中国がファイナルなのでリベンジしたい」と穏やかな表情で語った。
完璧演技で首位発進したSP後も、冷静だった。「本当にジャンプは申し分なかったかな」と高得点を喜びながらも「スピンとステップで、自分の中で『ここちょっとやばいな』って思ったところが何個かあった」と落ち着いて分析。ファイナルが懸かるフリーにも「今回はすごくレベルが高いので、そこをいったん忘れて、自分にだけ集中」と静かに闘志を高めていた。
地に足を付けていた。今大会には、合計点で今季世界最高得点を持つジキジと同2位のセメネンコが、ともにロシアから個人の中立選手(AIN)として出場した。2人のSPの演技を見て「本当にプログラムの完成度がすごく高い」と実感。「実力だけなら負けている」と率直に明かし、「彼らに僕も追いつけるように、しっかり練習していきたい」と自身の立ち位置を見極めていた。
精神面での成長が、結果につながった。8月下旬には、世界王者のイリア・マリニン(米国)のチームで約2週間の武者修行。ジャンプやスピンについての理論的なアドバイスだけではなく、自身のスピードを制御するすべも身につけた。「いつもは最後の辺りは根性で滑っているんですけど、そういうのもなくなった」と進化を口にしていた。
五輪2大会連続銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)が休養する中で、日本男子の層の厚さを示した。
前日7日には、女子で3月の世界選手権銀メダルの千葉百音(21=木下グループ)が合計224・48点で中国杯初優勝。GPシリーズでの日本勢の男女同時優勝は、鍵山と千葉が制した昨季第6戦フィンランド大会以来となった。