アンニョンハセヨ~! アン・シネです。なにをするのも気持ちのいい秋。冬に向かって空気もどんどん澄んできて、ゴルフにも最高の季節ですね。火曜日朝の皆さんとの時間、「サランヘヨゴルフ」。今週は「アン・シネ・ゴルフヒストリー第6章」です。私のつらく、苦しかった時間のことも、皆さんに知っていただきたいと思います。


つらく、苦しかった時間がありました
つらく、苦しかった時間がありました

5歳でゴルフを始めてから、ずっと応援してくれたのは両親だというお話は以前にもしました。1人っ子の私にゴルフをさせるために、両親もニュージーランドに移住し、いつも見守ってくれていたことも。その両親が、病気になってしまったことがあります。この時は本当につらかった。とても心が痛いと感じていました。

7年前、母が乳がんになったことが分かったのです。この時は、本当につらかった。私が韓国ツアーでプレーし始めて少したった頃でしたが、私は心配で、いいパフォーマンスができなくなってしまいました。幸い、手術を受けて元気になりましたが、その後、今度は父にがんが見つかったのです。

2年前のことでした。父は膵臓(すいぞう)がんで大手術を受けることになりました。今回も本当に心配で心配でたまらなくなりました。

父も、その後、徐々に元気になり、私の試合を見に来られるほどになりましたが、とにかく、両親の病気は、私のゴルフに大きな影響がありました。

私は、ゴルフがつらくなったときには、旅行に行ったり、他の趣味に熱中するなど、ゴルフから少し距離を置くようにしています。そうすることで「ゴルフがこんなに好きなんだ」「またゴルフがしたい」という気持ちになることができるんです。


人生も同じだと思います。つらさの原因から少し距離を置いてみることが必要です。友達と会ったり、ゴルフの練習に没頭する(仕事とはいえ、いろいろ忘れられます)。それで、ポジティブな気持ちで人生を見つめなおすことができるのです。

両親の病気は、本当に私を打ちのめしましたが、その時も、いろいろな角度から人生を考えることで、乗り越えることができました。

子供のころからずっと、私のことを見守ってきた両親への一番の親孝行は、自分が健康でいることだと思っています。そして、両親がそろって元気でいてくれること。私にとってはこれが、一番の幸せです。

両親のがんが早い時期に発見されたのは、本当に不幸中の幸いでした。ゴルフもプライベートも、人生はすべてつながっている。そのことをしみじみと感じながら、私は今日もクラブを握っています。


◆取材構成=遠藤淳子(清流舎)

◆撮影=河野匠

◆取材協力=ザ・インペリアルCC(茨城・稲敷市)