女子プロゴルファー永井花奈(23=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。今回はアプローチの距離の作り方についてです。フルショットできない中途半端な距離は、アマチュアゴルファーにとっては超難関。永井プロが意識していることを紹介します。

中途半端な距離は難しい
中途半端な距離は難しい

こんにちは、永井花奈です! 今回はアプローチの距離の作り方です。30ヤードとかのフルスイングできないショットに苦手意識を持っているアマチュアゴルファーの方が多いと思います。そこでアプローチの距離の作り方で私が意識していることを紹介します。

よく“振り幅で調整する”ということを聞きます。でも、これは難しいと思います。自分では腰まで上げたつもりでも、実際にはそれ以上に上がっていることが多いですよね。また、大きく上げて距離が合わないと感じると、スイングスピードを緩めるしかなくなってしまいます。また、思っていたよりもクラブの上げ幅が少ないと感じると、インパクトで調整してしまいます。どちらも結果的に、思った距離を打てなくなってしまいますよね。

私はまず“しっかり振る”ということを大切にしています。なのでタイミングが取りやすい振り幅を基準にして、そこからクラブを短く握ることで距離の調整をしています。グリーン周りのアプローチは58度のウエッジを使っていますが、グリップのロゴが見えるくらいで握って、腰から腰の振り幅がしっかり振れて、かつタイミングが取りやすいです。その振り幅でだいたい15ヤードです。同じ振り幅でクラブを短く持てば、物理的にボールが飛ばなくなりますよね!

グリップを短く握る
グリップを短く握る

その時にクラブを短く持つ分、ボールとの距離にも注意してください。短く持った分、近くに構えてくださいね。いつもの位置で構えてしまうと遠くなってトップしたり、しっかり振ることや、タイミングを取りやすいスイングが出来なくなってしまいます。

まずは、みなさんがタイミングが取りやすい振り幅で打った距離が何ヤードかを確認してみてください。そこからクラブの長さで調整するほうが、振り幅で調整するよりも確率が上がると思いますのでぜひ試してみてくださいね!

◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。

◆取材・構成 川田和博

◆撮影 鈴木正人

◆協力 飯能グリーンCC(埼玉・飯能市)