永井花奈プロ(23)が、アイドル界最強の呼び声も高いSKE48山内鈴蘭(26)の挑戦を受けた! 埼玉・飯能グリーンカントリークラブのインコースで、1ホール1度打ち直しあり(未使用分は持ち越し可)のハンディ戦での9ホールマッチプレー8ホール目。対戦内容はもちろん、技術やメンタル面のヒントを紹介します。
16番はティーショットで打ち直しを使った山内がパー。永井もパーセーブでマッチイーブン。
◆17番333ヤードパー4
軽く右ドッグレッグで、左サイドにフェアウエーバンカーがあり、さらにその奥はOB。高麗グリーンは右だがガードバンカーに囲まれるレイアウト。
永井 正面に見えるバンカーは210ヤードで入ってしまいます。バンカーより右を狙うには、右の木スレスレか上を狙わないといけないので、ここもティーショットが重要になりそうですね。
ティーイングエリアから見えない場所を狙うことになる。山内が永井にアドバイスを求めた。
永井 気合です(笑い)。気持ちを強く持って、自分を信じて振り切るしかないです。距離が長くないので、バンカーに届かないクラブでのティーショットを選択する手もありますが、私はドライバーでいきます!
オナーは山内。「ちょっとフェードをイメージしてみました」というティーショットは、フェアウエー右を捉えた。ティーイングエリア左側から右の木の上を狙った永井のティーショットは完璧なショットで、プロの実力を見せつけた。思わず山内が“エア”ハイタッチを求めたほどだった。
山内の第2打はピンまで残り133ヤード。
山内 何か遠く感じる。調子悪いのかな…。
永井 奥に木がないので、その分遠く見えていると思いますよ。
8番アイアンショットはピン手前にオン。永井も95ヤードを51度で手前に乗せた。
勝負はパッティング合戦となった。山内の右手前5メートルに対して永井は手前5・5メートル。
永井 さっきからショートしている。上りなので、なおさらしっかり打っていきたい。
芝は逆目。永井のバーディーパットはピン右を通過し、30センチほどオーバー。お先にパットでパーを確定させた。
山内は同じく逆目で、ラインをカップ前でフックと読んだ。「これは沈めたい」。思わず心の声が漏れた。イメージ通りのファーストパットだったが思ったほど切れず、カップ右10センチ。ここで“打ち直し”を宣言。「切れなかったので、右カップいっぱいでいきます」。打ち直しのバーディーパットは打った瞬間「弱い、ばかぁ~」で、50センチほどショート。「打ち直しはまだあるけど、最終ホールまで温存します」とパーパットを打とうとするが、「あれ、さっきのほうが近かった」と笑った。だがこれをしっかり入れてパーセーブ。
ハンディ戦とはいえ、現役ツアープロ相手にマッチイーブンで最終ホール突入。アイドル界最強(?)の(?)は、もはや不要かもしれない。
いよいよ最終ホール。勝負の行方はいかに。
◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。16年7月、プロテスト合格。17年に樋口久子・三菱電機レディースでツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。19年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ。
◆山内鈴蘭(やまうち・すずらん)1994年(平6)12月8日、千葉生まれ。09年AKB48の9期生としてデビュー。14年SKE48チームSに移籍。父の影響でゴルフを始め、中学生時代にはプロとアイドルを目指し、オーディション合格でアイドルを選択。現在テレビ東京系ゴルフ番組「日曜ゴルフっしょ!」(日曜、午前11時)にレギュラー出演中。152センチ。血液型O。
◆取材・構成 川田和博
◆撮影 狩俣裕三
◆協力 飯能グリーンCC(埼玉)