非常事態宣言が延長された。出口戦略は? 休業補償は? 不透明な部分は多い。ただ、当面の新型コロナウイルス根絶がほぼ不可能ってことはわかった。安倍首相も「長期戦になる」と言った。ワクチン開発を待つなら、下手すりゃ1年以上動けない。「それは無理」と言うなら、ウイルスとの“共存”でしょう。

感染が収まる気配を見せたタイミングでの経済活動再開-。今すぐにではないにしても、ツアー開始を真剣に、前向きに検討する時期が来たと思います。

トーナメント開催の具体的条件を並べてみた。

1、レンタカー等で現地入り 都道府県境を越えた人の移動による感染防止のため、飛行機、新幹線などの公共交通機関を極力使わない。必然、レンタカーなど乗用車での長距離移動が多くなるが、そこは目をつぶる。

2、無観客開催 会場内で最も多い人数となるのは、ギャラリー。仮に入場制限を掛けるにしても、どうしても「密」が発生しそうなので、当面はテレビなどマスコミ報道で我慢していただく。

3、クラブハウスの封鎖 「密」を避け、選手らの安全を守るため。ロッカールーム、レストランも使わせない。選手はホテルで準備を済ませる。ストレッチ、アップもコース外で済ませ、ウエアに着替え、コンビニ等で食料を仕入れ、レンタカーで会場入り。ホールアウト後、着替え、シャワーもホテルで行う。

4、練習場の入場制限 パッティンググリーン、ドライビングレンジ(打撃練習場)などに入れるのは、選手、キャディー、コーチのみにし、「スコア提出後1時間半」など使用時間制限も設ける。ファミリー、マネジャーら選手関係者は駐車場までしか入れないよう、制限をかける。

5、ワンウエーのスループレー 通常、アウト1番、イン10番の両ホールからツーウエーでスタートするのを、アウトスタートのみにし、ハーフ終了時の調整時間をつくらず、スルーで18ホールを回る。選手、キャディーらが「密」を極力発生させないようにする。

…といったあたりが、これまでツアー関係者らの話を聞いたり、個人的に考えたプランです。トーナメントには選手関係者以外に大会スタッフ、ボランティア、マスコミ等も加わってくるので、そこの人数制限等も当然考えるべき部分になるでしょう。

ともかく「ツアー」という名の経済活動を営まないでいると、選手よりむしろ、プロキャディー、協会外の運営スタッフなど“経済的弱者”が大変なことになります(まあ、もうなってますが…)。さまざまなハードルを乗り越え、1日も早くその時が訪れてほしいもんです。【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

大勢のギャラリーが見守る中、ショットを放つ石川遼(2019年10月22日撮影)
大勢のギャラリーが見守る中、ショットを放つ石川遼(2019年10月22日撮影)